━━とある人達の会話 1━━
「王様!!今日もレグル王子は勉強もせずに城外へ遊びに行っています」
「やはり従者などの目をかいくぐってしまい、見張りも役に立ちませんし」
「何より、王子自身にやる気が観られないかと・・・・・・」
王様と呼ばれた人物に複数の人達がかわるがわる発言する。
「玉座はクウェン王子に譲るのが賢い方法です」
「勉学にしっかりと励み、その才能を磨いておられる第二王子ならば国をより豊かにして下さります!」
しかし王の返事は苦々しい。
「お前たちの言いたいことは分かった。しかしだなぁ今まで代々の王族で玉座を第一王子以外が継いだ事は無い訳で・・・・・・」
「何をおっしゃいますか!歴史と言えども国が滅ぶのに比べれば全然ましです」
「・・・あいつにも王としての器はちゃんとあるんだがなぁ・・・・・・」
「本人にやる気が無いのですからその気にならなければ無駄です!」
だが、しかし、と王は渋る。王はレグルがいつかは本気になってくれる事を期待しているのだ。親としてではなく、王としての目線で見てもレグルのほうが逸材なのも躊躇う理由の1つになっているのは事実だが・・・・・・。
「ゴホッゴホッ ・・・・・・分かった、それでは私が死ぬまでにレグルが王に相応しい者だと証明出来なければクウェンに玉座を譲ろう」
王は病気で後数年しか生きられない、それ故の妥協案だった。
(取り敢えず、レグルには学園へと通わせるかな......)
本人の預かり知らぬとこでも物事はしっかりと決まっていく。
次、二章に入りま~す。