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我がまま王子の気ままなスローライフ  作者: 月雪 銀狼
第1章 避けられぬ運命(さだめ)
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クラン説明

 レーイ達が今いるザルム王国の王都には入り組んだ複数の裏路地うらろじがある。その複雑さは迷宮と遜色ない程で地下水道や塀の上、廃屋内はいおくないまで道として通るぐらいだ。

 建国から今まで好き勝手に無計画で増築を繰り返した結果、乱雑に立ち並ぶ建物により、家を建てるには狭く道と呼ぶには開けた場所が幾つも存在する。

 フレイムエッグはそのうちの1つと周りの建物を改造して、基地アジトとして使っている。とは言っても、色々と改造し過ぎてしまい、アスレチック広場みたいになっているが・・・・・・。

 他のグループもそれぞれで別の空き地や部屋など自分達の目的に合った場所を縄張りにしていて、不可侵、不干渉なのが暗黙の了解だ。さっきの場所は他所の縄張りだったので許可なく入り込んで喧嘩した今回のレーイの行動はマナー違反なのだが、実際に罰がある訳でも無くレーイ自身は余り気にしていない。


(先に手を出してきたのは相手だし、まぁ仕方ないか)


 王都最強のクランであるフレイムエッグのリーダーであるレーイ。つまり王都でレーイより強い奴はいないという強者の余裕であった。


 ザルム王国があるこのアグリシア大陸では国から国、町から町を渡り歩く旅人のことを“冒険者”と呼ぶ。また、それに反して一定の決まった地から動かない人を“現地人”と呼ぶ。

 それら“冒険者”や“現地人”は総称として、“義勇兵”と呼ばれる。本来ならば義勇兵とは、正規軍に所属せず、金銭的見返りを求めずに自発的に戦闘に参加する戦闘員の事を指すのだが、主となる仕事の内容が国家の手が回らない魔物の討伐や民間の雑事の手伝いなので、士気上げの意味合いが強いのだろう。

 また義勇兵は国家に所属せず冒険者ギルドに身元を保証してもらって完全な中立を保てるので国と対等に交渉できたり、国もお金を出さずに多くの非常備戦力を保有できるお互いに得のできる関係なのだ。

 そして、そんな彼ら“義勇兵”が集まってつくられるのが、“クラン”だ。

 冒険者というのは少人数での行動が多い。パーティー人数が10人を超えるのは珍しいことだ。これは報酬の問題が大きく、どうしようもないことといえる。しかしそれでは大人数が必要な依頼が出たときに、対応することが出来ない。


 それを解決する為に作られたのが、“クラン制度”だ。

 クラン制度はクランと呼ばれるグループを作り冒険者ギルドに登録する。大規模なクランになると、常時50人以上の人が集まっており、大人数が必要となる依頼にも対応できる。

 更に依頼に適したメンバーをクラン内から集めてパーティーを作るなどもできる。このため冒険者の仕事を柔軟にこなせるようにもなる。

 要は冒険者の支援グループといえる。


 もちろん一言ひとことでクランと言っても老若男女や大人の男だけ、貴族だけなどと目的によってもメンバーの集まり方にはさまざまな組み合わせや違いがある。

 ギルドはそれぞれのクランや義勇兵の特徴を考えて、規模や強さごとに依頼を紹介したり、その場だけの臨時のパーティーメンバー集めの場を提供したりしている。






「リーダーじゃん。一緒にいる子だれ?」


 基地に着くとさっそく声をかけられた・・・・・・・・・・・・・・・・・・真上から。

 見上げると高さ10mぐらいの位置にある雲梯うんていからぶら下がった10才ぐらいの少年がいた。


「ショウマ、お前何やってんの?」

「ん~見張り?」

「だったら物見櫓ものみやぐらを使えよ、勿体無もったいない」


 改造のし過ぎで、この基地には使わない無駄な施設が充実している。

 因みにショウマはジパング大陸にある倭国の民と妖狐のハーフなので黒髪黒眼で狐耳と尻尾が生えている。髪は肩にかかるぐらいの長さでいつも眠そうにしていて、喧嘩の時は少し性格が変わるが基本めんどくさがり屋な少年である。一応チームのNo.3でもある。


「うだ~いいじゃんどこにいたって、ちゃんとそれなりに働いてるんだから。それよりその子誰よ~?」

「知らん、ついさっきそこであったばっかだ」

「リリア・クリムゾンです。初めまして」


 リリアが微笑んで挨拶をした。


「初めまして~俺は虎水とらみず勝馬しょうま、皆はショウマって呼ぶよ~よろしく~」

「・・・・・・そんなことより今日はレンさん来てないのか?」

「ん~レンさん今日はギルドで程良く稼ぐって言ってたような~気がしなくもない」


 どっちだよと聞きたくなるような曖昧あいまいな答えが返ってきた。


「ねぇねぇ、レンさんって誰?」

「フレイムエッグのNo.2だ。ショウマ今日は俺もギルドへ行くわ」

「分かった~じゃ~ね~」


 レーイはギルドへ歩き出す・・・・・・・・・リリアをおいて。


「ちょっと!私も行くよ~」

「チッ・・・・・・・・・・・・」

「舌打ちするなー」

「気のせいだ」


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