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祖父(極道)、父(元極道)、婿(予定)←今ココ

作者: シトラチネ
掲載日:2010/12/17

「今月のお題は南極点到達の日にちなんで、『極』です」 12月14日、目にした1件のリツイート。そこから生まれたツイートノベル連作。140文字の遊び心をまとめときます。暇つぶしにどうぞ。ツイートノベル初挑戦なので期待しないでくださ・・・・・・!

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「手前、縁もちまして妻に所望いたしますは○○家ご息女」

 青年は跪いて娘の名を告ぐ。

「手前いたって不調法、しがない駆け出しもんにございますが、どうかお取立ての程お願い申し上げますっ!」

「昔気質の見上げた度胸だ。小指出しなァ・・・」

「親分落ち着いてぇぇ!」



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「お祖父さん」

 師走の駅は人で溢れているのに、初めて会う孫は儂の手を選んだ。

 何故分かった? 駆け落ちした娘が儂の写真を持って行ったはずもない。

「小指が父と同じです。母が赤い糸で引っ張りすぎちゃったんだ、と教わりました」

 極道泣かすたァいい度胸だ。



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 彼女の祖父は極道だ。

 式への出席をためらう老人の説得に彼女は成功した。

「泣いて喜んでくれた。すぐ分かったよ? 昔、パパが剥がしまくってた指名手配犯ポスターの人だったから」

 俺が式をためらいたい。手首を捕捉された。

「で、あたしに指名手配された気分はどう?」

 極楽です。



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「君が来ると聞いて包丁を研いだよ」

 彼女宅初訪問の日、元極道の義父(今日から予定)は笑顔でフグをさばいてくれた。

「フグ調理師免許? 持ってるよ。知識と実践は別だけどね。交際と結婚が別なのと似てるよね・・・」

「究極の選択ですね・・・」



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 娘が家に連れてきた男は、元極道がさばいたフグを悠然と平らげた。

「娘のためか」

「俺のためです。好きな子のために命を懸けたパパみたいな人なら結婚してあげる、と言われたので」

 義理の息子(今決定)は人を動かす極意を知っているかもしれない。



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 彼女の祖父は極道だ。

「ソバ打ちが趣味なんて、フツーのお爺ちゃんでしょ? 直々に打ってくれるらしいから行かない?」

 と彼女に誘われ一緒に出向いた。

 彼女の祖父は腕をまくり、怪我だらけのコワモテ集団を仲裁していた。

「あ、手打ちってそっち?」

 彼女のそばだけで満足しとこう。



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 彼女の祖父は極道で、彼女の父は元舎弟だ。

「若い頃、極貧でも舎弟にお年玉を下さってね。ありがたくて使えなかったが」

 義父(予定)はお年弾(現物支給)をゴトリとテーブルへ置いた。

「ありがたく使わせてもらえそうだ」

 義理の息子(未遂)のタマを現物徴収?



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 彼女の祖父は極道で、彼女の父は元舎弟。

 義父(予定)が義祖父(予定)からもらったお年弾(現物支給)を手に凄味のある笑みを浮かべている。

「だめだよパパ、彼のタマはあたしの手中にあるの」

 お父さんの前で下ネタ言っていいの?

「3つともね、くふふ」

 彼女はたまに刺激的。



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 彼女の祖父は極道だ。

 義母(予定)にクリスマスの思い出を聞いた。

「父は日頃からサンタの練習をしてたわ」

 意外にもイベントにノリノリだったらしい。

「煙突なんてないから、換気ダクトで。服役中にもプレゼント置きに来たわねぇ」

 囚人服のサンタはパトカーで帰ったそうだ



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 彼女の父は元極道。

 お笑い好きと聞きつけ、式の余興に芸人を呼ぼうと考えた。

「整いました!」

 披露予定のネタを聞く。

「極道とかけまして、演歌歌手とときます」

 その心は? 

「こぶしで人を泣かせます!」

 クビにした。



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 彼女の父は元極道。

 お笑い好きと聞きつけ、式の余興に芸人を呼ぼうと考えた。

「整いました!」

 披露予定のネタを聞く。

「極道とかけまして、頼りになる神様とときます」

 おぉいいね、喜ばれそう。その心は?

「お礼参りが有効です」

 クビにした。



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 彼女の父は元極道。

 お笑い好きと聞きつけ、式の余興に芸人を呼ぼうと考えた。

「整いました!」

 披露予定のネタを聞く。

「極道とかけまして、婚活とときます」

 彼女の独身の友人に受けるかもね。その心は?

縁故エンコがなくてシノギを削ります」

 クビにした。



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 彼女の父は元極道。

 お笑い好きと聞きつけ、式の余興に芸人を呼ぼうと考えた。

「整いました!」

 披露予定のネタを聞く。

「極道とかけまして、小銭の無い店とときます。その心は」

「サツが来ると困ります?」

 芸人は黙って帰っていった。



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 彼女の父は元極道。

 極道から足を洗う時、キックボクシングの達人だった義父(予定)に義母(予定)は寸止めの過酷な修行を課したそうだ。

「当時の写真よ」

 必死の形相で足を洗う男の脇には潰れたゴキブリが落ちていた



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 彼女の祖父は極道だ。彼女の父は元舎弟。親分の愛娘との結婚時、極道から足を洗ったそうだ。

 でも家族で海水浴や温泉に行けないと彼女は寂しそうに笑う。極道をやめても彫り物は消えない。

 俺は家族風呂のある温泉宿を奮発した。

「わーママも温泉入れるよ!」

 えっ彫り物があるのって。



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 彼女の父は元極道。

 家族での温泉経験がない彼女に、家族風呂付き宿を奮発した。

 義父(予定)はご機嫌だ。

「予約を減らさないと。君はまだ家族じゃないからね・・・・・・」

「パパ、その理論だと結婚後のあたしとは家族風呂入れないよ」

 貸切風呂と言い直すまで家族会議は白熱した



お題の日が過ぎても一人ひそかに継続中。増えたらコッソリ追加します。

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