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氷銀の魔女  作者:
53/63

5-sp 濃密な連休の日記

 5連休最後の日。


 和真は右手でシャープペンシルを持ち、ノートに向き合う。


 この連休で多くの出来事が起こった。時系列順に振り返り、ノートに記録していく。





 4月29日 火曜日。


 この日は正確には連休の前日。


 放課後にりりぽーとで買い物を楽しんだ。ユリィとゆかりさんが一緒にどこかへ行っていたけど、聞くことは出来なかった。


 その夜、ジムのランニングマシンで走り込んでいた。以前より負荷をかけるために設定を強くしたら、思ったよりきつかった。汗をかきすぎてTシャツを脱いで休憩してたらユリィが来たけど、すぐにドアを閉めて帰っちゃった。もしかして、上裸はまずかったかな。


 4月30日 水曜日。


 朝9時、僕とゆかりさんは堂ノ上理事長に呼び出された。何かをしでかしたのか心配になり、頭痛薬と胃薬を御守りとして持っていたけど、気休めでしかなかった。校外学習の一環として、国武院で交流会をするという話だった。次の金曜日に行くことになった。

 メンバーは僕、ゆかりさん、ユリィ、貝塚さん、秋野さん。後から知ったけど、コズミックの矢場内さんとかめむし?さんは引率の教員という(テイ)らしい。

 正直言って気が重いけど、あの頃の弱い僕はもういない、そう信じるしかない。それに堂ノ上理事長

は絶対何か企んでるよね。


 その後は腕を奮ってたくさんのおかずを作ってたんだけど、途中で調子に乗って卵焼きをどんどん作ってたら重箱が一面黄色になった。流石に食べきれなかった。


 外へ出たらコマチが僕を誘うように人気のない校庭へ向かって行った。その先にはユリィがいた。

 ユリィは「鍛錬」という名目で遊びに誘ってくれた。直後、お腹の音が鳴ったので、余った卵焼きをお裾分けした。喜んでくれて嬉しかったと同時に、ユリィがとても魅力的に見えた。

 寮に戻る時、ゲームセンターでゲットした熊のぬいぐるみをプレゼントした。あの時の笑顔は僕だけのものだ。


 夜、2人でトレーニングをしていることがついにバレた。よりにもよって貝塚さんと秋野さんに。もう少し2人だけの秘密にしておきたかった。



 5月1日 木曜日。


 この日はユリィと遊園地に行った。(断じてデートではない!)

 ユリィの私服を初めて見た。すごく神秘的で、綺麗だった。女神のような容姿なのに仕草が女の子らしくて、いとうつくしうていたり。

 遊園地ではしゃぐユリィの一面を見ることができて、どこか背徳的な優越感に浸っていた。怖いお兄さんにユリィが絡まれているところを見た時、僕は「ユリィを誰かに取られたくない」と思ってしまった。

 観覧車で2人きりになった時、すごくドキドキした。でも幸せだった。ずっとこの時間が続けばいいのにとすら思った。

 帰り道で、ユリィの手と僕の手が触れそうになった。触れてしまうと、壊れてしまう気がした。

 僕はようやく気づいた。ユリィ・フロストのことが好き。多分ずっと前から、気づかなかっただけ。無意識に目を背けていたんだ。でも、ユリィの内面や仕草に惚れたのは本当。正直、自分でもどうしたいか分からない。



 5月2日 金曜日。


 ユリィに会いたい。その一心で外に出たけど、違う棒に当たった。コズミックの矢場内さん。オブラートに包まず言うと、オカマ。グラウンドでは貝塚さんが何か凄いことをして炎上してた。

 矢場内さんと貝塚さんと3人で街中を歩いていると、テロリストに遭遇した。僕は衝動的に突撃し、テロリストを殴り倒した。全く無関係な人が銃で撃たれる光景を目の当たりにし、僕はひどく動揺した。その後の警察の事情聴取もほとんど覚えていない。

 矢場内さん曰く、自衛隊旧基地に潜んでいたテロリストのグループをコズミックと警察隊で制圧したと。でも、コズミックの名前がニュースに出ないのは、表向きは秘密組織なんだろう、きっと。



 5月3日 土曜日。


 ようやくまともに休日が過ごせると思ってたけど、何も手につかなかった。

 夜のトレーニングでは、ユリィが以前よりも強い負荷をかけてるような気がした。何か思い詰めてたりするのかな。ユリィの力になりたい。僕にできることがあるなら。

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