第60話 ライムを中心に作戦会議
ライムさんの闇が見えますよ。
ブクマ・⭐︎お願いします。
う、嘘だ……
現れたのはディスカベルのギルドマスターのライム。
何故か軽く装備を整えており、もしかすると只事ではない?
雰囲気を感じ取ると、ネイルを含めた冒険者とは、それだけ貢献度が高いということ。
ダンジョンから戻って来ない=危険な男女であるという事実を内包している。
胸がザワつき始めると、ふと疑問に思った。
とは言え何故にライムがここに足を運んでいるのか?。
一体何用なのか? 只事では無いと言ったが、これは関わると面倒なことになりそう。
クロンも予見したのか、一歩足が下がった。
「ライムさん、どうしたのよこんな所に来て」
「落ち着いてください。ネイルさん達は、まだ戻られていないのですね」
「……」
マフラーは視線を逸らした。
それだけではなく、絶望感がより一層広がる。
ただでさえ混沌としていた重たい空気が、ますます辛気臭くなると、ライムは「んん」と唸る。
「そうですか。まだ戻られていないと……」
「ライムさん、これって相当大事よね?」
「はい。相当な大事です」
ライムとエメラルが短いが的確な会話をする。
繰り出されるのは言葉と言うよりも感情論のようなもの。
残念だけど僕には分からないな。なんて思っていると、ライムの口からとんでもない言葉が飛び出す。
「まさか、ネイルさん達が戻られないとは、コボル洞窟にはなにかあるのかもしれませんね」
ライムはコボル洞窟で何が起きたのか気になっていた。
確かにそれも重要だ。コボル洞窟で一体何が起きたのだろう?
詳しい話をまだ知らないが、ネイル達が戻らないのは不味いことのようだ。
とは言え、ライムの言葉の節々から見られるのは、もっと別の視点によるもの。
(……あれ? そっちなんだ)
そっちなのか、こっちなのか、どっちなのか。僕は悩んでいた。
けれどこれでハッキリしたのは言うまでもない。
ライムが心配しているのは、あくまでもコボル洞窟で何が起きたのか。
冒険者ギルドにとって不利益になりかねないことか否かであり、そこにネイル達の安否は含まれていなかった。
(いや、なにかの間違いかもしれない……)
ここで決断を下すには早計だった。
僕はライムのことを最初から信用していない。
ましてや信用に値するのか疑いの目を向けるのは必然だった。
「ライムさん、ネイル達はどうでもいいみたいなこと、口にしないでくれる?」
「おっと、失礼しました」
エメラルはライムに言及した。
流石に気が付いていたようで、人権問題になる。
ライムも反省した。もしかして、間違えただけだろうか?
「口が滑ってしまいましたね」
ライムは口元に手を当てていた。
表情を隠し、本性がバレないようにしている。
けれど頬の動きから僕は読み取ると、眉間に皺を寄せた。
(ダメだ、信用してはいけない)
ライムは信用しては行けなかった。
流石は冒険者ギルドのマスターなだけのことはある。
僕達冒険者のことを使い捨ての道具のように見ている。
そう言えば師匠達が言っていた。王都の冒険者ギルドのマスターを信用するなって。
(あれはこういうことだったんだ)
ゾクリと背筋を引っ掻く異様なまでの感情。
僕は大丈夫だけど、みんな気が付いていないのかな?
いや、気が付いている。エメラルもクロンも、マフラーもだ。特に少女=ラッシュの顔は無表情だが嫌悪感を露わにしている。
「(コホン)それで、ネシアさん現状は?」
「は、はい。指示通り捜索隊を派遣し、コボル洞窟周辺の調査を拡大しています」
判断自体は間違っていなかった。
ライムはコボル洞窟周辺の調査を、冒険者の中から捜索隊を見繕い派遣した。
その結果次第では、今後の予定も変わって来るのだろうが、これも使い捨てだろう。
「分かりました。では、捜索隊が戻り、情報が集まり次第、対策を立てましょうか」
「対策って、救出よね?」
「いえ、その必要はありません」
「はぁっ!?」
ライムの発言には、冒険者ギルド絶対が震える。
もちろんエメラルも反論するが、ライムの表情は澄ましていた。
瞼をソッと閉じると、救出を放棄している。
まだ生きているかもしれない。微かな希望がある……僕なら行かないけれど、エメラル達的には、救出を視野に入れるべきだと思っていた。
「どういうことよ、ライムさん。救出しない訳?」
「はい。冒険者三人の救出に割いている時間も人員もありませんから」
「はっぁ!? それが冒険者ギルドのマスターが下した決断ってこと?」
「はい。どのような形で受け取っていただいても構いませんよ?」
ライムと言う人間性。それを垣間見る。
口を滑らせたようには見えず、切り捨てる判断を下した。
冒険者ギルドのマスターらしい非情な決断だったが、効率的に考えれば確か。
「ライムさん」
「はい?」
「それは、うちのギルドマスターも賛同しているの?」
マフラーが挙手した。
ライムに肝心なことを訊ねる。そうだ、〈《黒牙の影》〉は王都でも指折りのギルド。
かなり古参であり、ギルドマスターの正体は知らないが、簡単に仲間を切り捨てるのだろうか?
正直可能性は高い。
何せ諜報や暗殺が主体のギルドなのだ。
マフラーの口振りからは本当の所は見えないが、ライムは少し言葉を溜める。
「……さぁ、どうでしょうか?」
「答えてよ。答えてくれないと……」
ライムの表情は無表情だった。
けれど口角が少し上がっている。もしかすると、僕と同じなのだろうか?
正直薄気味悪いと思った。
それは僕だけではなく、逆らいたい感情が渦巻く。
何よりも不気味であり、マフラーは嫌悪感を示し、ライムに牙を剥く。
「チッ!」
「おお、怖いですよ、マフラーさん?」
マフラーの武器はまさかのマフラーだ。
魔力を流して硬化させると、しなやかな刃に変わる。
ギュンと空気を張り詰めて叩くと、ライムに向かって放たれる。
しかしライムには届かなかった。
手にしている杖を使い、マフラーを抑え込んでいる。
これは魔法のようだが、喉元に飛んで来た柔らかいマフラーを止めるには、少々強引だった。
「少し落ち着きましょうか。無暗に武器を取るのは、得策ではありませんよ?」
「誰のせいよ」
「さぁ、誰のせいでしょうね?」
ウザい、ウザすぎる。僕は正直に思った。
悪寒が走り、心臓の鼓動が早まる。
生かしてはいけない。そんな雰囲気が漂うと、ライムは勝ち誇りニヒルに笑っていた。
気持が悪く、ネシアでさえドン引きだったのは忘れない。
少しでも面白いと思っていただけたら嬉しいです。
下の方に☆☆☆☆☆があるので、気軽に☆マークをくれると嬉しいです。(面白かったら5つ、面白くなかったら1つと気軽で大丈夫です。☆が多ければ多いほど、個人的には創作意欲が燃えます!)
ブックマークやいいねに感想など、気軽にしていただけると励みになります。
また次のお話も、読んでいただけると嬉しいです。




