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【狂気】生贄にされた少年、最強冒険者パーティーに育てられ、“最狂”のサイコパス冒険者になりました。  作者: 水定ゆう
2ー2:コボルトの眠る喉元

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第57話 心臓が唸る衝動

何かに勘付くのは、きっと師匠達のおかげかな?

 僕は冒険者ギルドに向けて歩いていた。

 装備を整え、最低限の荷物を鞄に仕舞う。

 師匠達に貰った魔法の鞄の中にアイテムを詰め、腰にまとめると、まさしく冒険者の様。


 そんな中、僕は不思議な空気を感じた。

 いや、空気と言うより視覚情報で伝わる。

 この時間。僕達は朝がめっぽう弱いクロンが居るにもかかわらず、朝早くに集合を掛けた。


 エメラルがクロンを強引に引っ張って来るらしい。

 そんなことをして、機嫌を損ねられても困るけど……

 何て無駄なことを想像すると、やっぱり気になって仕方がない。


「うーん、おかしいな」


 独り言を呟いてしまった。

 それもその筈、何故か冒険者の姿を見かけない。

 こんなに朝が早いんだ。先発の第一陣が動き出していてもおかしくない。


 にもかかわらず、冒険者の姿は無かった。

 しかも、“一人も”見かけないのは絶対におかしい。

 何かあった? そう考えさせられるのが自然だ。


「なにかあったって……嫌な予感がするなー」


 想像したくはないけれど、先を読む必要がある。

 ライムがエメラルに頼みたかった依頼。アレが関係しているのでは?

 色々と引っ掛かりが生まれると、唇の指を当てた。


「まぁ、考えても仕方が無いのかな?」


 それはそうだ。先を読む想像力は大事だけど、真実から目を背けるのは違う。

 まだ僕は、真相に辿り着けていない。そんな状態で、幾ら想像力を働かせても泡。

 師匠達なら瞬時に解決してしまうことでも、今の僕には厳しいの一言が似合う。


「エメラルとクロンと合流しよう」


 今は冒険者ギルドに向かうことを優先する。

 気になりはするけれど、何か偶然が重なった可能性もある。

 それこそ、冒険者ギルドが休み……いやいや、それは無い。


「冒険者ギルドが休みなんて……あり得ない。そんなことになったら、この街は終わりだよ」


 冒険者ギルドは連日連夜依頼が舞い込む。

 それを受理・受注、冒険者へのあっせんや地域との交流。

 様々な関係を築くことで信頼を得て、雑多な依頼の数々を処理することになっていた。


 しかもここは王都であるディスカベル。

 単純に、依頼の数が尋常じゃない。

 それだけ人の行き交いが激しいから仕方が無いけれど、冒険者ギルドは大変だ。


 そんな大切な場所が無くなってしまった、もしくは一日でも休んでしまったら、大変な騒ぎになる。

 冒険者は情報に精通している必要がある。何せ、情報=生命維持に繋がる。

 ダンジョンは危険だからこそ、冒険者は自分の命を守る必要があった。


「でもそんな情報は無い……けど」


 僕はサッと耳を澄ました。

 目には見えない情報は至る所に転がっているもの。

 瞼を閉じ、意識を集中させると、漏れ出た水の音に意識を集中させた。


「ねぇ、今晩のおかずどうする?」

「あーあ、いつか僕も冒険者になりたいな」

「最近エビを食べてないわね」

「今日は久々に外食にすっか?」

「はぁ……金がねぇ」

「冒険者がダンジョンで消息を絶ったそうよ」


 様々な会話が波のように襲う。

 一つ一つ小さいけれど、無数となると意識が削れる。

 それでも集中力で洗い出すと、ソレっぽいものをが出てきた。


「これかな?」


 会話の中に導き出した答え。

 どれだけ情報規制され、統制されていたとしても、必ず漏れるもの。

 冒険者がダンジョンで消息を絶った……まぁ、時々ある。けど、この空気感は只事では無いらしい。


「ダンジョンで消息を絶った……ダンジョン、ダンジョン、もしかして?」


 色んな点が無数に浮かび上がった。

 想像力の線で繋ぎ合わせていくと、何だか嫌な予感がする。

 冒険者ギルドで情報を集めてもいいかもしれない。一大事のニオイが、僕を興奮状態にさせる。


「なんだろう。冒険者らしいニオイがするよ」


 胸がザワ付いた。心臓の鼓動が昂る。

 血液がドクンドクンと唸りを上げる。

 冷静な心が脅かされると、鼻腔をくすぐる僕の血液のニオイを心地よく思った。


「この間も血のニオイがしたけど、なにか関係があるのかな?」


 道の真ん中で立ち尽くしてしまった。

 交通の邪魔なのは分かっているけれど、如何しても収まらない。

 この衝動、何だか嫌な予感がして仕方が無いよ。


「(ボンッ) 痛い!?」


 急に頭に衝撃が走った。

 痛い……とは言ったけど、凄く居たい訳じゃない。

 でも確かに丸めた紙筒で叩かれたような感触が伝わると、僕は頭を押さえて、距離を軽く取りながら振り返った。


「誰がやったの? ……エメラル、それにクロンも」


 振り返った先に居たのはエメラルとクロンだった。

 叩いたのはもちろんエメラルで、新聞を丸めている。

 ポコンと頭を軽く叩いた後、肩にポコポコ当てている。


「なにやってるのよ、オボロ。道の真ん中で胸を押さえて」

「発作かなにか?」


 如何やら心配されていたらしい。

 確かに、胸を押さえていたのは少し不安にさせたかもしれない。

 反省すると、ペコリと頭を下げた。後腐れが無い方がいい。


「あっ、ごめん。邪魔になってたね」

「そうよ。後、心配もしたわ」

「うん。大丈夫?」

「大丈夫だよ。それより二人共……僕より遅いなんて、意外だね」


 道の真ん中で突っ立っていたのはおかしい。

 自分でも気が付いていて、すぐに道の脇へ避ける。

 ふと思ったのだが、何故エメラルとクロンが僕よりも後に来たのか気になる。


「はぁー。クロンが起きなかったのよ」

「私は悪くない。魔術の研究してたから」

「魔術の研究って……はぁ。それだけじゃなくて、ポーションもでしょ?」

「うん。でも研究は研究だから」


 クロンの目元に隈があった。

 エメラルが苛立っているのも無理も無い。

 恐らく徹夜したせいで、集合時間に間に合わなかったんだ。


「はぁ。でも合流できたわね」

「うん。それじゃあ全員で行こうか」

「ええ。なんだか……無性に胸がザワつくのよね」


 何故かエメラルも僕と同じようなことを思っていた。

 クロンもコクリと首を縦に振っている。

 やっぱり何か起きたんだ。冒険者の問題は、冒険者は勘として伝わる。


「急いだ方がいいかもね。それともスルーしようかな?」

「いいえ、行くわよ。なにが待っていても、絶対におかしくないわ」

「絶対に?」

「そう、絶対にね」


 エメラルの勘は僕の想像を超えてくる?

 可能性はあるけれど、真実までは分からない。

 その足は冒険者ギルドに向けられると、僕達は嫌な予感がしていた。

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