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【狂気】生贄にされた少年、最強冒険者パーティーに育てられ、“最狂”のサイコパス冒険者になりました。  作者: 水定ゆう
2ー2:コボルトの眠る喉元

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第53話 コボル洞窟の調査

まずは調査partです。

 コボル洞窟にやって来たネイル達一行。

 最低限の装備を整え挑むのは、撤退を視野に入れているからだ。


 別に今回だけで調査を済ませる必要はない。

 高を括っているものの、流石に油断はしない。

 ネイルを先頭に、最後尾はラッシュを付けると、トロン森を安全に抜け、無事にコボル洞窟に辿り着く。


「ここです、コボル洞窟に着きましたね」


 目の前には不思議な形をした洞窟があった。

 まるでイヌの口をしており、これから入るのはイヌの体内。

 そんな印象を受ける中、シザースは鋏をチョキンと音を立てた。


「それじゃあアタシの魔法を掛けるわよ」


 シザースの魔法は特別なものだった。

 詠唱を必用としない代わりに、魔素を操る。

 大気中の魔素に魔力を通すと、認識阻害の魔法を掛け、コボルト達に気が付かれないよう配慮した。


「助かる、シザース」

「いいわよ。それじゃあ気を引き締めて行きましょう」

「ラッシュ、マフラーの傍から離れないように」

「は、はい!」


 簡単な準備を整えた。

 コボル洞窟の入口を潜り、中へと侵入する。

 ここはダンジョンで、何処にコボルトが潜んでいるか分からない。


「ダンジョンの中は……変なニオイはしないわね」

「うん。これなら大丈夫そう」


 シザースとマフラーが言うので間違いない。

 コボル洞窟の中は至って普通で変わりない模様。

 魔素が安定しているのか、体への不快感も少なかった。


「ラッシュ、足跡はどうだ?」

「えっと、トロン森から続いています」

「コボルトのものですね」

「は、はい。人間(・・)のものは無いです」


 如何やら敵は相当な上手らしい。

 ここまでの道中、コボルトの足跡はラッシュが追っていた。

 けれど人間のものは見当たらず、残念ながら空振りに終わる。


「空振りだな。どうする?」

「そうだね。もう少し調査を続けよう。なにか嫌な予感がする」


 ネイルの判断は調査続行だった。

 コボル洞窟の調査自体、ここしばらくしていなかった。

 何か変化が起こっている可能性があるので、もう少し続けてみる。


「分かった。マフラー」

「うん。……魔素の状態は安定しているけれど、何処かおかしい」

「おかしい?」

「うん。コボルトの気配が異様に乱れているみたい」


 モンスターごとに個体差があってもおかしくは無い。

 けれどマフラーが違和感を覚えるなら、単純な個体とは考え難い。

 もしかしなくても、コボル洞窟ではなくコボル洞窟に潜むモンスターに異変が起きているのかもしれないと、想像力を膨らませる。


「コボルト自体になにかしたのかな?」

「考え過ぎは毒よ、ネイルちゃん」

「うん。そうだね、シザース」


 考えるネイルの表情は素敵だった。

 けれど考え過ぎると、眉間に皺が寄ってしまう。

 シザースはネイルの歪んだ顔が面白くないので、冷静さを抱いておく。


「とりあえず、先に行こうよ」


 ネイルの提案を受け、洞窟の奥地を目指した。

 コボル洞窟は階層になっていて、下手をすれば迷う。

 幸いここに居るメンバーは、ラッシュ以外コボル洞窟に何度も足を踏み入れているので、構造は充分把握していた。


「ん!? 待て、ネイル」


 ベルトが急に叫んだ。

 地面を伝う音が、壁を駆け抜けほんの些細な動きだが揺らす。

 そのせいか、ベルとの判断はいち早く、ネイル達は身構えた。


「バウワウッ!」

「「バウワッ!?」」


 曲がり角から飛び出したのは数匹のコボルトだった。

 如何やらネイル達の侵入に気が付いたらしい。

 気が付いた? それはおかしな話だ。


「こ、コボルトですよ!」

「そうだな。勘付かれたか?」

「そんな嘘よ。アタシの魔法はちゃんと掛けたわ」


 何故コボルト達に気が付かれたのか?

 そんなミスはしていない筈で、特にシザースは納得がいかない。

 何せシザースの魔法は完璧に掛けられており、そう簡単に解除される筈がない。


「それじゃあ、シザースの魔法を無視できるだけの力がある?」

「そんな、許さないわよ」


 シザースの魔法を無視出来るだけの力があるようには、見た所見えない。

 けれど見つかってしまった以上、仲間を呼ばれても面倒だ。

 ネイルは地面を蹴ると、コボルトに近付いた。


「悪いけど、見られたらからには()らせて貰うよ」


 ネイルの爪が伸びて高質化した。

 鋭い剣になると、コボルト三匹を同時に倒した。

 首の筋を切ると、コボルトは固まって倒れる。


「す、凄い」

「ラッシュちゃんは、ネイルちゃんみたいになったらダメよ」


 ラッシュは茫然と眺めるしかなかった。

 瞬く暇もない一瞬で、コボルトをまとめて倒す俊敏さ。

 判断が早く、ラッシュの鼓動が高まるが、シザースはラッシュにはネイルの真似をさせたくなかった。


「どうしてですか?」

「ネイルや俺みたいに、人間を捨てるな」

「ベルトさん?」


 ネイルもベルトも人間性を棄てていた。

 そのせいか、ラッシュの純粋な感性を壊したくない。

 〈《黒牙の影》〉にとっては、重要な要素の一つだった。


「ラッシュはネイルとベルトとは違うから。もちろん私達とも」

「マフラーさんまで?」


 本来ラッシュは〈《黒牙の影》〉には向いていない。

 とは言え、ラッシュを勧誘したのはギルドマスターだと噂されている。

 その真相は定かではないにしろ、ラッシュの性格では諜報や暗殺は出来なかった。


「とは言え、コボルトの動きがやけに活発だったな」

「うん。気にはなっていたよ」

「アタシの魔法も貫通されちゃってたわね」

「もう少しだけ、調査を続けるよ。それでもなにも出なかったら、今回は一度引き返す。いいね」


 全員コクリと首を縦に振る。

 コボルトの動きがやけに気になるので、下手なことは出来ない。

 諜報も暗殺も命懸けで、結局は命あっての物種だ。


「ラッシュ、いざとなればお前が先に逃げろ」

「えっ!?」

「ラッシュの足なら逃げ切れるよ。頼んだよ」

「は、はい!」


 コボル洞窟で何が起こっているのかは分からない。

 油断している暇はないので、気を引き締め直した。

 コボルトの動きを敏感に感知しながら、更に奥地へと進んだ。

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