エピソード97 アンリ・フォン・レバークーゼン
『帝国の君主であらせられます皇帝陛下に対しまして、封土受領之誓いを奉り、子爵の爵位を叙爵あそばれました父上が御当主を務められています、当家の家名はレバークーゼン家ですので。私の姓名はアンリ・フォン・レバークーゼンとなりますが』
談話室の椅子に腰掛けられましたアンリ・フォン・レバークーゼン卿による前置きに、私達女子学生の全員は頷きまし…。
『アンリの家名って、レバークーゼンだったんだ』
…私と同じ平民身分にして、希望さんの大切な幼馴染みでもある恵さんだけは、アンリ卿の家名を御存知無かったようです。
{ハンナ女史が帝都魔法学園の入学試験に合格したのが、時折不思議に感じますな?。我が主}
ハンナさんは周囲の人達への細やかな気遣いを欠かさない、素晴らしい学友であると私は考えています。髪飾り。
『アンリの実家でもあるレバークーゼン家が治める領地は、ライン川沿いにあるって前に何度か教えた事があるだろうが。ハンナ』
帝国の貴族諸侯であらせられます、男爵閣下の御息女でもある令嬢のナディーネさんによる言葉に対して。赤茶色の髪の毛を短いツインテールにされていますハンナさんは、飼い主に向けて首を傾げる仔犬を連想させる表情を浮かべられまして。
『そうだったっけ?』
『…あのなあ。まあいい、話が進ま無ぇ。続きを頼むアンリ』
{腕輪の主による、幼馴染みに対する自制心は素晴らしいですな。我が主}
ハンナさんは私にとっても素晴らしい学友ですよ。髪飾り。
『はい。令嬢ナディーネ女史。父上が御治めになられていられますレバークーゼン家の御領地は、御話にありましたように帝国の舟運において非常に重要な役割を果たしています、ライン川沿いにありますが』
{内陸部への物資の大量輸送には、ライン川などの河川を使う舟運が必要不可欠ですからな。我が主}
その通りですね髪飾り。荷馬車で運べる物資と比べますと、交易船で輸送可能な物資は大量となりますから。




