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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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エピソード92 屈折した評価

『この度は多大なる御迷惑を御掛けしまして、心底よりの御詫びを申し上げます。男爵バローン夫人様』


『気にされる必要はありませんわ、フロリアーヌさん。衛兵隊の隊長殿とのお話しは、非常に楽しかったですもの♪』


本日も帝都魔法学園における講義を受講し終えた放課後に、迎えの馬車に乗車をしまして、貴族街にあります希望ナディーネさんの御父君であらせられます男爵バローン閣下の上屋敷かみやしきを訪問していますが。


『衛兵隊は馬車の御者からも事情聴取をしていましたけれど、フロリアーヌさん一行を帝都魔法学園にて迎えた後は、貴族街にある当家の上屋敷かみやしきに到着するまで誰一人として下車しなかったとの説明を聞き、納得して帰られましたわね♪』


帝国は封建制度を政治体制に採用していますので、身分が下の衛兵隊の隊長様は、ナディーネさんの御母堂であらせられます男爵バローン夫人様から事情を聴く為には、自ら上屋敷かみやしきまで出向かれる必要があります。


『老女教授がフロリアーヌを連れて放火現場に行っている間に、アタシ達にも衛兵隊が話を聞きに来たが。個別に事情聴取をしても、特に新しい情報は得られなかったみてぇだな』


ナディーネさんによる話に私は頷きまして。


『学生同士で口裏を合わせていた場合に備えて、帝国女騎士ライヒス・リッテリン様は私だけを切り離して、その間にナディーネさん達への事情聴取を衛兵隊の皆様方に行わせたようですね』


{我が主は、治癒魔法ハイル・ツァオバーの講義を担当されていられます帝国女騎士ライヒス・リッテリン様から、本当に疑われていられたようですな}


徹底的に疑い調べて頂いた方が、身の潔白を証明する事が出来ますから、私としては非常に助かります。髪飾ハール・シュムックり。


帝国女騎士ライヒス・リッテリン様はフロリアーヌさんが放火殺人の犯人であると、半ば以上は確信を持たれていられたようですけれど。時間的に犯行が不可能だと証明をされれば、御自身の先入観に基づいた疑いを消す以外には、他に選択肢がありませんわね』


真実ヴェレーナさんが優雅エレガントにではありますが、皮肉を込めて発言されますと。元軍人であらせられる男爵バローン夫人様も、笑顔にて御頷きになられまして。


帝国女騎士ライヒス・リッテリン殿は、戦友でしたフロリアーヌさんの祖父に対して、非常に複雑な気持ちを抱いているようですわね♪』


軍場いくさばにて共に死線を越えた戦友による薫陶くんとうを受けた、女魔法使マーギエリンいでもある孫娘エンケリンなら、この程度は出来て当たり前だという屈折した評価を、私は老女教授から受けているようです。

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