エピソード86 嫌われた理由の心当たり
『ザスキア女史の御父君が、帝国の君主であらせられます皇帝陛下の直臣の臣下の身分の帝国騎士様である事は、帝都魔法学園に入学した日に聞き及んでいましたけれど。外務省にて勤務なされていられるのは、初めて知りました』
女子寮の廊下から談話室へと移動をしまして話をしていますけれど、ザスキア女史は私の言葉を聞かれますと、控え目に嬉しそうな笑みを見せられまして。
「い、一度御話しをしただけなのに、御父様の事を覚えていて頂き、嬉しく思います。花女史」
ザスキア女史からの相談を受けた恵さんの話によりますと、私に嫌われたと一年以上誤解されていたようですが、そのような事は無いと信じてもらえたでしょうか?。
『希望さんの御爺様であらせられる准将閣下は、軍務省にて勤務なされていまして。御父君であらせられる男爵閣下は、皇帝陛下の宮城にて宮仕えをなされていられますわね。やはり帝都魔法学園にて学ばれていられます学生の親族の皆様方は、公僕として御仕えなされていられる方々が多いようですわね』
帝都にて手広く商売をされていられます、免状貴族身分の豪商を御父君とされます真実さんの見解に、私も同意をして頷きまして。
『私のように地方部出身の平民身分の村娘が、帝都魔法学園にて根元魔法を学ぶのは珍しい少数派となります。ヴェレーナさん』
チラッ、チララッ。ジイッ…。
{何やらザスキア女史が、我が主の表情を上目遣いに窺っておりますな?}
そのようですね。直接聞いてみる事にします。髪飾り。
『どうかされましたか?。ザスキア女史』
私の問いに対してザスキア女史は、少しの間悩まれましてから。
「は、はい。フロリアーヌ女史…。その、実は、入学式の日に御話しをした際には、金髪と瑠璃之青の瞳をされていられますフロリアーヌ女史は、止事無い身分であらせられる令嬢か淑女だと思い込んでいまして。私の御父様が帝国騎士身分だと御伝えしたのですが。その、自慢していると受け止められて、気に障ったのではないかと?」
成る程。ザスキア女史はハンナさんに対して、嫌われた理由は解らないと相談されましたが。心当たりとして、自らの失言により平民身分の私を怒らせたのではないかと悩まれていられたのですね。
『そのような事はありませんから、安心なさって下さい。ザスキア女史』
チラッ、チララッ。ジイッ…。
私の言葉が本気なのか、ザスキア女史は再び上目遣いに表情を窺いましてから。
「あ、有難う御座いますフロリアーヌ女史…。ほ、本当に安心をして嬉しく思います」




