エピソード68 報告と連絡と相談
フワッフワッフワッ。
{今宵は朔ですな。我が主}
今の帝国では新月と言います。髪飾り。
根元魔法の姿隠之魔法により不可視となり、飛翔で空中に浮かびながら尾行を行っていますので。金髪に着けている髪飾りとは、念話による無言での意思疎通を行っています。
フワッフワッフワッ。
{朔…新月の夜に我が主を襲おうとしたという事は、街灯の明かりが灯されていない帝都の街路にて、我が主を背後から襲い攫う企てだったのやも知れませぬな?}
その可能性はあります髪飾り。帝都には魔道具の街灯が整備されていますが、昼間と比べれば暗い箇所もありますから。
{我が主の推測の通りだとしますと、完全に計画的な犯行となりますが。理由に心当たりはありますかな?}
フワッフワッフワッ。
正直に言って解りません?。希望さんの御爺様であらせられる准将閣下から御受けした依頼関係で、何らかの恨みを買った可能性が一番高いかと推測するくらいしか出来ません。
私個人を狙い攫おうとしていたようですが、平民身分の小娘では大した金額の身代金は要求が出来ませんから、金銭目的の営利誘拐では無いとしか解りません?。
フワッフワッフワッ。
『頭は居るか?』
『いや、飲みに出ているぜ』
私を攫おうとしていた三人組の中で、一番格上だと思われます男性を空中から尾行していましたが。帝都の裏通りにある建物の前で、見張りらしい男性達と立ち話を始めました。
『じゃあ帰りは朝だな』
『多分な。急ぎの用件か?』
見張りの問いに対して私を攫おうとした男性は、少し考えましてから。
『いや。報告は明日の朝でいいだろ』
見張りに報告は明日の朝にすると話した男性が、裏通りにある建物の中に入るのを見届けましてから。
『帰還。シュルン』
『タタタッ』『コンッコンッコンッ』
『誰だ?』
『花です。ナディーネさん、折り入って相談をしたい件があります』




