エピソード647 帝都魔法学園を卒業後に御領地に戻られるかどうか
『ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ』
チラッ、チララッ。
『家は兄貴達が三交代制で男爵の親父に代わり領主代行をしてるとは以前に話したが。次は長男の勝者之民の兄貴の番だから、ゾーリンゲン家の領地に行く前に、必要な品や本を昨日は買い求めていたそうだ』
翌朝。帝都魔法学園の学生食堂にて朝餉を摂られながら、ゾーリンゲン家の男爵閣下の末子にして、ニコラオス少佐の妹君でもあります希望さんが、気風の良い口調にて説明なされました。
『御父様が伯爵閣下として御治めになられていられますケルン家の御領地は、ニコラオス少佐と同じく帝国騎士身分であらせられます隼御兄様が領主代行として統治なされていられます。やはり封建制度を政治体制に採用しています帝国におきましては、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方が御治めになられていられます御領地と領民を統治なされます領主代行には、少なくとも帝国騎士か、帝国女騎士身分が必要なのでしょうか?』
地方部出身の平民身分の村娘でした私の疑問に対して、ナディーネさんは藍色の瞳をアンリ卿に向けられまして。
『帝国の法律で明文化されては無ぇが、レバークーゼン家もそうだからな』
レバークーゼン家の子爵閣下の庶子にして、高潔な貴公子でもあります黒髪と褐色の肌色をされていますアンリ卿は、ナディーネさんに対して同意をされまして。
『はい。令嬢ナディーネ女史。兄上も帝国の君主であらせられます皇帝陛下の直臣の臣下であらせられます、帝国騎士身分です』
ファルク御兄様とは義兄弟の契りを交わしていられますジェローム御兄様も、ニコラオス少佐と同じく帝国騎士様です。
{帝都魔法学園の学生食堂にて御話になられていますから、我が主と御学友の皆様方は当然だと考えて気にされてはいられませんが。ニコラオス少佐と兄君とジェローム卿は、御三方共に天から根元魔法の素質を授かりし選良でもあります魔法使いという共通点もありますな}
確かに髪飾りの言う通りですね。全員が魔法使いか女魔法使いの帝都魔法学園で学んでいますと、天から根元魔法の素質を授かりし選良である事が当たり前であるかのような錯覚を起こしやすくなります。
『アンリも帝国騎士身分に、ナディーネも帝国女騎士身分になれば、領主代行を務めるようになるのか?』
デュッセルドルフ家の上級の騎士様の子息でもありますルネ卿の疑問に対して、ナディーネさんは腕を組み考え込まれまして。
『アタシの場合は帝都魔法学園を卒業後に、親父の跡を誰が継ぐか決まっていなかったら、三交代制が四交代制になり、領主代行を務める可能性はあるが。アンリの場合は帝都魔法学園を卒業しても、レバークーゼン家の御領地には戻らないんだろ?』
ナディーネさんによる問いというよりは確認に対して、アンリ卿は頷かれまして。
『はい。令嬢ナディーネ女史。レバークーゼン家の御領地は、父上の跡を継がれて家督を継承なされる兄上が受け継がれますから、弟の私は基本的には戻らない予定でいます』
{アンリ卿はご母堂も、帝都アーヘンの貴族街にありますレバークーゼン家の上屋敷にて暮らされていますからな。我が主}
アンリ卿からしますと帝都アーヘンの方がレバークーゼン家の御領地よりも、御父君であらせられます子爵閣下と、上屋敷にて暮らされていますご母堂と会える環境ですから、帝都魔法学園を卒業されましても、御領地にお戻りになる必要性は低いですね。髪飾り。




