エピソード639 優しい兄君
『奇遇だな。令嬢花女史』
『はい。少佐』
真実さんとザスキア女史と共に、帝都アーヘンにあります魔道具の製造には必要不可欠とされますミスリル銀の地金を取り扱う市場を見て回っていますと。ゾーリンゲン家の男爵閣下の長男にして、希望さんの兄君であらせられます、東方拡大戦争の英雄でもあります、帝国騎士身分の勝者之民少佐と御会いをしました。
『妹のナディーネも市場に来ているのかな?。令嬢フロリアーヌ女史』
鍛え上げられた頑健な肉体をされていられます、長身のニコラオス少佐が市場を見回しながら問われましたので。
『はい。少佐。本日は帝都魔法学園にて教鞭を執られていられます教授による引率を受けまして社会科見学に訪れましたが。現地解散をした後にナディーネさんは、恵さんと二人で市場を見て回られています』
私による説明を聞かれたニコラオス少佐は御頷きになられまして。
『ナディーネは幼い頃からハンナが大好きだからな』
ニコラオス少佐からされますと、ハンナさんはもう一人の妹に近い感覚なのかも知れません?。
『良ければ帝都魔法学園の学友を紹介してもらえないかな?。令嬢フロリアーヌ女史』
帝国騎士身分であらせられますニコラオス少佐の御言葉に対しまして、私は恭しく深々と御辞儀を行いまして。
『はい。少佐。ザスキア女史とヴェレーナさんです』
「は、初めまして。少佐」
『御初に御意を得ます。少佐』
外務省にて精勤なされていられまして、今はケーニヒスベルク家の辺境伯閣下が大将の軍階級にて指揮なされていられます東方拡大戦争の指令部に出向なされていられます帝国騎士様を御父君とされますザスキア女史と、帝都アーヘンにて手広く商売に成功なされていられます免状貴族身分の豪商の娘でもありますヴェレーナさんによる挨拶を受けましたニコラオス少佐は、笑顔にて御頷きになられまして。
『初めまして。ニコラオス・フォン・ゾーリンゲン少佐です。妹のナディーネと仲良くしてくれていると母上からは聞いている♪』
「ナ、ナディーネさんには、私の方こそ仲良くして頂いています。少佐」
『妹君には非常に御世話になっております。少佐』
ニコラオス少佐は、妹のナディーネさんと同学年の女子学生である私達三人に対しまして笑顔にて。
『ゾーリンゲン家は軍人一家なので、当家の家風の影響で妹のナディーネも男勝りな性格に成長したが。仲良くしてくれる同い年の同性の女子学生が、幼馴染みのハンナ以外にも居てくれて兄として非常に嬉しく思う』
ニコラオス少佐は妹であるナディーネさんの事を、心から大事に想われていられます優しい兄君であると感じます。




