エピソード63 人脈の重要性
『さて、表通りに出られはしましたが。ここは帝都のどこでしょうか?』
迂回路を探して裏通りから、馬車が行き交う表通りに出られはしましたが。見覚えの無い街並みを瑠璃之青の瞳で見回しまして、次はどうするべきかと思案に暮れました。
{我が主は一年以上に渡り、帝都魔法学園での講義の受講を終えられますと、学生寮から図書館へと同じ道を通り向かわれまして。閉館時間となりますと公衆浴場にて湯浴みをされまして、それから洗濯屋に立ち寄り、学生食堂で夕餉を摂られるという、非常に規則正しい生活を送られて来られましたな♪}
何故だかは解りませんが、私が一年以上に渡り続けている生活習慣が、魔道具の髪飾りには愉快に感じるようです?。
『はい。その通りです。帝都には私の出身地である地方部には無かった図書館や、代価を支払いさえすれは湯浴みの準備や洗濯の代行や料理の調理を行ってくれる施設がありますから。帝都魔法学園にて根元魔法を学ぶ十四歳の女子学生として、学生の本分である学業に専念が出来る非常に恵まれた環境が整っています』
帝国軍にて三十年間勤め上げられた退役軍人でもある魔法使いの祖父から、血統により根元魔法の素質を家族で唯一受け継いだ孫娘である女魔法使いとして、帝国の地方部にある故郷でも農作業の合間に学んではいましたが。学業のみに専念が出来る帝都での環境は、故郷で暮らしていた頃とは比べ物にならない程に恵まれています。
『代価を支払う為には収入が必要とされますから、学生寮で女子寮の隣室である真実さんと一緒に、男爵閣下の御息女にして令嬢な、希望さんの御爺様であらせられる准将閣下からの御依頼を受けています』
帝都魔法学園で、ヴェレーナさんとナディーネさんの御二方に知り合えたのも非常に幸運でしたので、出会いに心底より感謝をしています。
{人脈の重要性は、いつの時代のどのような社会においても不変ですな。我が主}
魔道具である髪飾りの視点から見ましても、人間社会における人脈の重要性に関しては疑いの余地が無いようです。
『その通りですね髪飾り。人脈が必要とされ無くなる社会は、人類が存続する限り決して訪れない可能性が高いです』




