エピソード625 悪名は無名に勝ると昔から言うが
『ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ』
チラッ、チララッ。
『俺も希望と同じく借り一つと考える。花』
『解りました。ルネ卿』
帝都魔法学園の学生食堂で朝餉を摂られながら、ナディーネさんが昨夜に私と話しました内容を秘密に抵触しない範囲で慎重に語られますと、ルネ卿も借り一つだと言われました。
『私も令嬢ナディーネ女史とルネと同じく、借り一つとさせて頂きます。令嬢フロリアーヌ女史』
『解りました。アンリ卿』
レバークーゼン家の子爵閣下を御父君とされますアンリ卿と、ゾーリンゲン家の男爵閣下を御父君とされますナディーネさんと、デュッセルドルフ家の上級の騎士様を御父君とされますルネ卿ですが。ノイス家の御領地内にあります、死の王国時代の遺跡で起きた出来事に関しては納得をして頂けました。
{封建制度を政治体制に採用しております帝国では、止事無い身分であらせられます家門にて生まれ育たれた皆様方を納得させるのも一苦労ですな。我が主}
これもケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様の娘として生きていく為には必要とされます、知識と技術を習得する良い機会の一つだと私は心底よりの感謝をしています。髪飾り。
『まあ、俺に関しては、親父が余計な事をしないように息子を、皇帝陛下の直臣の臣下でもある帝国騎士身分としておいた方が、デュッセルドルフ家を飼い慣らし易いという計算も働いているだろうしな』
デュッセルドルフ家の上級の騎士様を御父君とされますルネ卿の見解に対して、レバークーゼン家の子爵閣下を御父君とされますアンリ卿が。
『デュッセルドルフ家の後ろ盾となられていられる父上だけで無く、内務副大臣にして衛兵隊の総隊長であらせられるバーデン家の女辺境伯閣下も、上級の騎士様の事は御存知だから否定は出来ないな。ルネ』
アンリ卿とルネ卿は同性の殿方同士による親友の関係にありますから、忌憚の無い発言を行えます。
『アンリの言う通りだな。悪名は無名に勝ると昔から言うが、俺の親父は正にそうだな』




