エピソード624 ナディーネさんの借り
『アタシが何を言いたいか、ある程度は予想が付いているみてぇだな。花』
『はい。希望さん。ある程度は推量をしています』
帝都魔法学園の学生寮の女子寮にありますナディーネさんの部屋にて。私は勉強机の前の椅子に腰掛けまして、ナディーネさんは自分自身の寝台に座り話しをしています。
『貴族街にある親父の上屋敷で、お袋からこれで帝国女騎士身分に叙任されると笑顔で言われた。アンリもレバークーゼン家の上屋敷で子爵閣下から、これで帝国騎士身分だと言われたそうだ』
予想通りですね。
『はっきり言う。アタシとアンリとルネは今回は何もして無ぇ。死の王国時代の残党でもある女の吸血鬼を捕らえて氷漬けにしてから、内務副大臣にして衛兵隊の総隊長でもあるバーデン家の女辺境伯閣下に引き渡したのは、フロリアーヌと騎士の二人だ』
{軍人一家であらせられますゾーリンゲン家にて生まれ育たれました腕輪の主は、御自身が何もしていないのに帝国女騎士身分に叙任されるのは、納得がいかないようですな。我が主}
ナディーネさんは誇り高い令嬢ですから。髪飾り。
『今回は偶然私と騎士様が功績を挙げたに過ぎませんナディーネさん。納得がいかないのでしたら、私に対する借り一つだと考えて頂いて構いません』
私の話しを聞かれたナディーネさんは、暫しの間考え込まれまして。
『成る程。フロリアーヌに対して借り一つか。解った。いつか必ず返すからな』
割り切られたナディーネさんに対して、私も金髪を揺らしながら頷きまして。
『はい。楽しみにさせて頂きます。ナディーネさん』




