エピソード617 帝国の封建制度は立身出世の機会を与えてくれる流動性のある政治体制
『パカラッパカラッパカラッパカラッパカラッ』
『帝国ターレルの金貨二十枚をどうしようかな?』
上級の騎士様が御治めになられていられますノイス家の城館を後にしまして、私とアンリ卿と希望さんとルネ卿と騎士様の五人は、隼御兄様が領主代行をされていられますケルン家の御領地を目指して馬で南下をしています。
『パカラッパカラッパカラッパカラッパカラッ』
『私は豪商の藪さんに相談をしながら、帝都魔法学園を次席の成績にて卒業なされた安定先輩が新たに独り立ちされました魔道具の工房に出資させて頂いていますが。金融機関に定期貯金をされる選択肢もあります。ルネ卿』
デュッセルドルフ家の上級の騎士様の子息でもありますルネ卿は、馬上にて私に対して頷かれまして。
『確か定期貯金なら、普通預金よりは利率が高いんだよな。当面はそれでいいかもな』
{ルネ卿は堅実な若者のようですな?。我が主}
ルネ卿の御父君であらせられますデュッセルドルフ家の上級の騎士様は、御領地を拡大して帝国の君主であらせられます皇帝陛下に封土受領之誓いを奉りまして、男爵の爵位を叙爵して頂くのを宿願とされていられます向上心が非常に強い御方だそうですから。子息のルネ卿は御父君とは異なる生き方を望まれているように感じられます。髪飾り。
『次席の成績で帝都魔法学園を卒業したコンスタンツェ先輩で思い出したが、在学中に勝者之民の兄貴が帝国軍に誘った首席の成績で卒業したフェルディナント先輩が、ロートリンゲン公国で魔法使いとして名を挙げているみたいだな。個人の能力で立身出世を果たす自信があったから、ニコラオスの兄貴から帝国軍への入隊を誘われても断ったみてぇだな』
気風の良い話し方をされます、軍人一家でもありますゾーリンゲン家の男爵閣下の御息女であらせられますナディーネさんに対して。レバークーゼン家の子爵閣下の庶子にして、黒髪と褐色の肌色をされています高潔な貴公子でもありますアンリ卿が。
『帝国は来る者は拒まず去る者は追わずを国の方針とされていますが。フェルディナント先輩のような非常に優秀な魔法使いの国外流出は痛手だと思います。令嬢ナディーネ女史』
アンリ卿の仰られる通りです。
『騎士は北方半島王国出身の呪術師なんだな。何で帝国に移住したんだ?』
ナディーネさんの問いに騎士様は、馬上にて頭を下げられますと。
『はい。北方半島王国は絶対君主制を政治体制に採用しておりますので、全ての権限が王都クベンハウンの国王陛下と王家の皆様方に集中しておりますので。人脈が無いと自らの能力を発揮する機会を得るのが難しい社会となっております』
{絶対君主制の北方半島王国出身よりは、封建制度を政治体制に採用している帝国を騎士殿は選ばれた訳ですな。我が主}
カール卿の御父君であらせられますツヴィングリ男爵閣下も、直接民主制を政治体制に採用していますシュヴァイツ共和国のゾロトゥルン州から帝国に移住されて来られました魔法使いですから。根元魔法と精霊魔法に自信のある殿方からされますと、帝国の封建制度は立身出世の機会を与えてくれる流動性のある政治体制に見えるのだと思われます。髪飾り。




