エピソード612 敵はこちらの法律や事情に合わせてはくれませんから
『全員目を閉じて耳を塞いで下さい』
私の言葉にアンリ卿と希望さんとルネ卿と騎士様が、一斉に目を閉じて耳を塞いだのを確認しますと。
『魔法障壁展開。衝撃波』『『ドォオオオンッ!』』『『ブワアッ』』
不可視の魔法障壁を私の周囲に展開をしましてから、坑道内で根元魔法の衝撃波を炸裂させました。
『衝撃波の爆風で吹き飛ばされました負の生命力が一カ所に集まります』
呪術師でもあります騎士様が目を開けられまして、衝撃波の爆風で吹き飛ばされた靄が一カ所に集まる空間を指摘されましたので。
『重力制御』ガクンッ『ドサッ』
『やはり不死者が靄になり、私達を観察していましたか』
靄が集まりました空間に、根元魔法の重力制御を発動しまして、死霊術により不死者となりました相手を地面に圧し付けました。
『不死者?』
ルネ卿が聞き慣れない単語に不思議そうな表情を浮かべますと。
『吸血鬼の事だルネ。正確には女の吸血鬼を不死者と呼ぶ』
{帝国では初代皇帝陛下が死霊術を禁呪として厳しく禁止されましたが、我が主と学友のアンリ卿は不死者の事を御存知でしたな?}
私の場合は軍人恩給を受給しています退役少尉が所蔵されていました、帝国軍が死霊術を用いる敵と遭遇した場合の手順書を読んだ事がありました。
『帝国軍や財務警察は、死霊術で化物や不死者となった相手と公務中に遭遇する恐れがあるからな。アンリ』
軍人一家でもありますゾーリンゲン家の男爵閣下の御息女であらせられますナディーネさんの見解に、財務警察の警視正であらせられますレバークーゼン家の子爵閣下を御父君とされますアンリ卿が。
『はい。令嬢ナディーネ女史。父上から財務警察の手順書を以前に読ませて頂いた事がありました』
{帝国軍と財務警察は、死霊術の使い手に対抗する方法が定められている訳ですな。我が主}
帝国が死霊術を禁呪として厳しく禁止しましても、敵はこちらの法律や事情に合わせてはくれませんから。髪飾り。




