エピソード603 私には見えないものを感じ取る力があるようです
『パカラッパカラッ』
『御尋ねをしても宜しいですか?。騎士様』
『私に御答え出来る内容でしたら何なりと御尋ね下さい』
上級の騎士様が御治めになられていられますノイス家の御領地内に入りましたけれど。帝都憲兵隊の副総監にして、ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様の腹心でもあります騎士様は、即かず離れずの距離にて馬に乗り私の側から離れようとはされません。
『騎士様は、精霊の声を聞き力を借りる事が出来ます呪術師なのですね?』
乗馬服姿で軍馬に騎乗しています私による確認に対して、騎士様は馬上にて頷かれまして。
『はい。その通りです』
どこで誰から精霊魔法を学ばれたのか、余計な内容は質問されない限り話さないつもりのようです。
『パカラッパカラッ』
『天から根元魔法の素質を授かりし選良でもあります女魔法使いの私には、ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様が御治めになられていられます御領地との違いは特に無いように見えますが。精霊の声を聞き力を借りる事が出来ます呪術師の騎士様からは、上級の騎士様が御治めになられていられますノイス家の御領地はどのように感じられますか?』
私の問いに対して騎士様は、農作業に勤しんでいます農奴の様子を眺めましてから、良く晴れています空を見上げられまして。
『夕刻に雨が降り始めます。一晩中降り続くかと思われます』
『パカラッパカラッ』
『雨ですか?』
私も軍馬の馬上から天を見上げましたが、雲一つ無い晴天が広がっていました。
『はい。かなり激しく降るかと思われます』
精霊の声を聞き力を借りる事が出来ます呪術師の騎士様には、私には見えないものを感じ取る力があるようです。




