エピソード60 帝都の裏通り
『…道に迷ったようです』
{我が主は帝都魔法学園にて根元魔法を学ばれていられます二年生の女子学生ですので、一年間以上帝都にて寄宿生活を送られているはずですが?}
金髪に着けている、魔道具である髪飾りによる当然の疑念を聞きながら。私は見覚えの無い帝都の裏通りの地区を、瑠璃之青の瞳にて見回しまして。
『学生寮と図書館を往復するだけでしたから、本日のように石畳の補修工事を行う為に普段利用している道が通行止めとされていたのは、帝都に来てから初めての経験でしたので。迂回路を探していて迷いました』
さて、困りました?。根元魔法の帰還で、学生寮の女子寮に帰る選択肢もありますけれど。出来れば本日も図書館にて、日課としている大好きな読書を行いたいですし。
チラッ、チララッ。ジイッ…。
{帝都魔法学園の学生食堂で、我が主が集めるのと異なる種類の視線を、裏通りの建物の物陰から感じますな}
念話による髪飾りの指摘に対して、今度は私も無言で考えを伝えて返答しまして。
見慣れない余所者に対して警戒するのは人間の本能です。私は地方部出身の平民身分の生まれですので、故郷で見慣れない旅人を見掛けた際には警戒をしましたから、裏通りの住民の気持ちは理解可能です。
{厄介事を避ける意味でも、移動した方が良さそうですな。我が主}
その通りですね。迂回路が見付からなければ、本日は図書館に行くのは諦めて、根元魔法の帰還で学生寮に戻る事にします。髪飾り




