エピソード596 即断即決を行える決断力も
『若者は基本的な読み書きと算術は出来るのだな?』
『はい。領主代行様。親父…父が商売をしておりまして、長男の兄だけで無く兄弟姉妹の全員に、基本的な読み書きと算術を学ばせました』
上級の騎士様が御治めになられていられますノイス家の御領地から、密造酒を持ち込もうとして捕まりましたパオルさんですが。帝国騎士身分であらせられます領主代行の隼御兄様が興味を持たれたようです。
『父親の商売は兄が継ぐのか?』
『はい。領主代行様。次男の自分には兄の手伝いを父は期待していたようですが、学んだ基本的な読み書きと算術を悪用するような息子は、勘当をされて親子の縁を切られると覚悟しております』
封印の指輪による試し撃ちに志願されましたパオルさんと仲間の殿方達は、鞭打ち刑は免除されますが、一家の家長でもあります父親から勘当処分を受けて親子の縁を切られるのは別の話しとなります。
『一家の家長による家父長権にまでは、領主代行である私も干渉する事は出来ないからな』
『はい。領主代行様』
止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方が、御領地と領民を御治めになられていられます封建制度を政治体制に採用しています帝国ですけれども。平民身分の領民の家庭内における一家の家長による家父長権には干渉しないのが、古くからの慣習となっていますので。免状貴族身分の豪商の娘でもあります真実さんは、父親よりも上位の帝国女騎士身分となりまして、家父長権からの解放を帝都魔法学園の在学中に目指されています。
『それなら私に仕えぬか』
『領主代行様にですか?』
ファルク御兄様は、ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様の腹心でもあります騎士様に、妹の私と同じ瑠璃之青の瞳による視線を向けられまして。
『私も父上のようにケルン家に仕える家臣では無く、個人的に動いてくれる部下が欲しくてな。パオルは使えそうだと判断をした』
ファルク御兄様による御言葉を聞きましたパオルさんは、床に片膝を着かれまして。
『御仕えさせて頂きます。領主代行様』
責任感があり記憶力も良い上に、即断即決を行える決断力もパオルさんは持ち合わせていられました。
『立つが良い。部下として期待をするぞ。パオル』
『はい。領主代行様』




