エピソード59 常日頃から心懸けています感謝の気持ち
『通行止めとなっていますね?』
本日の帝都魔法学園における講義を受講し終えましたので、放課後の楽しみである読書をする為に図書館へと向かっていましたが。いつも歩いている道が通行止めとなっていました。
{街路の石畳の補修工事を行っているようです。我が主}
『トンテン・カンテン・ガタンッ、ゴトンッ』
通行止めとなっている道の先に、瑠璃之青の瞳の視線を向けて確認しましたが。金髪に着けている魔道具である髪飾りの言う通り、街路の石畳の補修工事を行っているようです。
『私の生まれ育った故郷では、道は石畳による舗装がされてはいませんでしたから、雨が降れば泥道となり、農作業に用いる荷馬車の車輪が嵌まり苦労しましたけれど。帝都は街路が石畳により舗装されていて、道が痛めば補修工事が行われますから、生活環境が地方部と比べて格段に良いと改めて感じます』
『トンテン・カンテン・ガタンッ、ゴトンッ』
補修工事を行っているのは、監視者により見張られている公有奴隷の皆さんのようですね。帝都の住民が快適で便利な生活を送れるように、帝国が保有する公有奴隷が無報酬で働いて下されているのには、心底より感謝の気持ちを抱いています。
『別の道を通り、図書館に向かうとします』
{はい。我が主}
『トンテン・カンテン・ガタンッ、ゴトンッ』
どのような社会においても、縁の下の力持ちとして、目立たないですが重要な仕事を担って下されていられる存在がいますが。封建制度を政治体制に採用している帝国においては、奴隷身分の皆さんが社会の最底辺を支えるという、掛け替えの無い大切な役割を担われていられます。
{我が主は奴隷に対しても、感謝の気持ちを忘れない御方なのですな?}
髪飾りによる念話の問いに対して、私は歩きながら頷きまして。
『荷馬車を引いてくれる家畜の駄馬に対して感謝するのと同じ気持ちを、奴隷身分の皆さんに対しては抱いています。私達人間の為に働いてくれる、貴重な労働力ですから。髪飾り』
家畜や奴隷身分の皆さんが居なければ、私達人間の生活水準は間違いなく著しく低下をしますので。餌を与えてもらえる代わりに無報酬で働いて下される家畜と奴隷身分の皆さんに対しては、心からの感謝の気持ちを忘れないように常日頃から心懸けています。




