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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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エピソード58 乗馬の講義受講後

『チャプン。シャアアアッ』


『乗馬の講義を受講した後は、帝都魔法学園の浴場を使わせてもらえるのは助かります』


浴場の洗い場にて髪の毛を石鹸ザイフェで洗髪している私に対して、男爵バローン閣下の御息女であらせられる令嬢フロイライン希望ナディーネさんが。


『アタシは爺さんや兄貴達と親父の領地で行った狩猟ヤークトで慣れているから、特に気にはしぇが。過去に貴族諸侯であらせられる皆様方の止事無やんごとない御令息や令嬢フロイライン淑女マドモアゼルが、帝都魔法学園で根元魔法を学んでいた時に。乗馬した後に馬から移る獣臭さを直ぐに落とせないのは我慢がならないと、強く主張した卒業生が居たらしいぜ』


ナディーネさんの御爺様であらせられる准将閣下からの御依頼を受けて訪れた、止事無やんごとない身分の御令息や令嬢フロイライン淑女マドモアゼルの皆様方が参加なされていられました競売会の会場は、濃香のうこう香水パルフュームの香りに包まれていましたから。乗馬した馬から移る獣臭さを、貴族諸侯であらせられる皆様方の社交界で普段から生活なされていられる方々が毛嫌いされるのは、地方部出身の平民身分の村娘である私にも理解可能な感覚です。


『その点に関しましては、免状貴族エードラー身分の私も、卒業生の先輩に同意いたしますわね』


浴場の洗い場の私の隣では、真実ヴェレーナさんが銀白色ズィルバー・ヴァイスの髪の毛を丁寧に石鹸ザイフェで洗われまして、馬から移された獣臭さを入念に落とされていました。


『ヴェレーナの親父さんは、帝都で貴族諸侯であらせられる皆様方を相手に手広く商売を行っているからな。顧客の機嫌を損ねるような間違いは犯さねぇのは、商人として正しい姿勢だと思うぜ』


ナディーネさんは封建制度を政治体制に採用している帝国の、貴族諸侯であらせられる男爵バローン閣下の御息女でもある令嬢フロイラインとして生まれ育たれましたが。軍人一家という家庭環境と、平民身分の大切な幼馴染みであるハンナさんの存在により、異なる身分や立場の人達に対しても、非常に寛容な人格を形成されました。


『そういえばナディーネとフロリアーヌとヴェレーナの三人は、競売会で手に入れた魔道具である、腕輪アルム・バンド髪飾ハール・シュムックりと首飾ハルス・ケッテりを、浴場の中まで持ち込んでいるよね?』


ナディーネさんの隣の洗い場で身体を洗われているハンナさんが、私達三人に対して不思議そうな表情にて問われましたので。


『先程更衣室で着替えている時に、髪飾ハール・シュムックりが』


{我が主以外の者が触れたら呪いが発動しますので、気を付けられますように♪}


『このように笑いながら念話ねんわで注意を促して来ましたので、用心の為に浴場の中にまで、装飾品の髪飾ハール・シュムックりを持ち込んでいます。ハンナさん』


私による説明に対して、ナディーネさんとヴェレーナさんの御二方も頷いて同意を示されまして。


『アタシも腕輪アルム・バンドから同じ説明を受けたな』


『私も首飾ハルス・ケッテりから、ナディーネさんとフロリアーヌさんと同じ注意を促されましたわ』


具体的にどのような呪いかまでは解りませんが、対象の命を奪うような凶悪な呪いである恐れもありますから、髪飾ハール・シュムックりを更衣室に置いてくる訳にはいきませんでした。

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