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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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573/588

エピソード573 出る杭は必ず打たれます

『私はバーデン家の女辺境伯マルク・グレーフィンの身分と、内務副大臣にして衛兵隊の総隊長の立場と、帝国軍の大将の軍階級を父上から継承した。それに加えて天から根元魔法の素質を授かりし選良ディ・エリーテでもある女魔法使マーギエリンいという、封建制度を政治体制に採用していて根元魔法が盛んな帝国においては、帝国之住民ライヒス・ビュルガーの殆どがうらやむ身の上に生まれたが』


内務副大臣であらせられます、バーデン家の女辺境伯マルク・グレーフィン閣下が夕餉ゆうげの席にて、ロートリンゲン公国産の葡萄酒ヴァイン献酌けんしゃくをされています、クリスタル・硝子グラース製の酒杯を揺らされながら。


『跡継ぎを儲ける為に、強力な根元魔法の使い手である魔法使マーギアーいを伴侶はんりょとしなければならないのは、仕事が楽しい私としては不満でな。まったく人間という生き物の欲深さには我ながら呆れる』


内務副大臣であらせられますバーデン家の女辺境伯マルク・グレーフィン閣下に、帝国騎士ライヒス・リッター身分のケルン家の領主代行であらせられますファルク御兄様ブルーダーに、帝都憲兵隊の副総監にして伯爵グラーフ閣下であらせられます御父様ファータートホターの私に、財務警察の警視正であらせられますレバークーゼン家の子爵ヴァイカウント閣下の庶子にして高潔な貴公子であらせられますアンリ卿に、帝都の宮城にて皇帝陛下の御信任の厚い官吏として忠勤あそばれていられますゾーリンゲン家の男爵バローン閣下の御息女であらせられます令嬢フロイライン希望ナディーネさんに、帝国におけます舟運しゅううん大動脈だいどうみゃくとなっていますライン川の東岸にて御領地と領民を御治めになられていられますデュッセルドルフ家の上級の騎士シュヴァリエ様の子息のルネ卿は、帝国で暮らされています帝国之住民ライヒス・ビュルガーの殆どがうらや境遇きょうぐうにありますが。


『人間は全てを手に入れる事は出来ないからな』


内務副大臣であらせられますバーデン家の女辺境伯マルク・グレーフィン閣下による御言葉に対しまして、私達は恭しく深々と御辞儀を行いまして。


『はい。女辺境伯マルク・グレーフィン閣下』


女辺境伯マルク・グレーフィン閣下は、年下の私達に対しまして笑みを見せられまして。


『封建制度を政治体制に採用している帝国における最強の処世術は、身の程をわきまえて序列を尊重して秩序オルドヌングを守る姿勢を明確にする事だ。出るくいは必ず打たれるからな♪』

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