エピソード571 複数の街を領有なされていられます御父様
『御待ち申し上げておりました。女辺境伯閣下。帝国騎士様』
『世話になる』
『身に余る勿体ない御言葉に御座います。女辺境伯閣下』
今宵宿泊をします宿場町に到着をしますと、町の代表が内務副大臣であらせられますバーデン家の女辺境伯閣下と、帝国騎士身分の領主代行であらせられます隼御兄様に対しまして、恭しく深々と御辞儀を行い歓迎の挨拶を申し上げています。
『御案内をさせて頂きます。どうぞこちらへ』
帝都憲兵隊の副総監であらせられます御父様が、止事無い身分の貴族諸侯でもあります伯爵閣下として御治めになられていられますケルン家の御領地内にあります宿場町ですので、町の代表も領民の一人となります。
『やはり止事無い身分であらせられる伯爵閣下が御治めになられている、ケルン家の御領地は広いな』
デュッセルドルフ家の上級の騎士様の子息のルネ卿が、物珍しそうに宿場町の様子を見回しながら仰られましたので。
『ルネ卿の御父君であらせられます上級の騎士様が御治めになられていられますデュッセルドルフ家の御領地も、舟運の大動脈でありますライン川沿いにありますが。異なる点があるのですか?』
農奴が農作業に勤しむ田園風景は同じだと感想を述べられていられましたルネ卿ですが、私の疑問に対して頷かれまして。
『親父が治める領地には町は一つしかないからな。農作業に勤しむ農奴という田園風景は同じでも、城下町の他にも宿場町も領有なされていられる伯爵閣下は、やはり止事無い身分であらせられる貴族諸侯だと実感をするな』
成る程。
『まあ、御領地が広くて御治めになられている街が複数あるって事は、それだけ責任も増えるからな。俺の親父のような小領主の方が気楽だとは思うけれどな、花』




