エピソード570 他者の秘密は話さないフロリアーヌの事を
『パカラッパカラッ』
『…さっきは俺のせいで雰囲気を悪くしたな。謝罪をする花』
昼餉を摂る為の休憩を終えまして、再びノイス家の御領地を目指して北への移動を開始しましたが。私と馬首を並べて騎乗なされていられます、デュッセルドルフ家の上級の騎士様の子息のルネ卿に対して。
『アンリ卿と希望さんは、ルネ卿を心配されているように見受けました』
私の話しを聞かれましたルネ卿は、先行されています背筋を伸ばされた美しい騎乗姿勢にて乗馬をされていられます、レバークーゼン家の子爵閣下の庶子にして高潔な貴公子であらせられますアンリ卿と、軍人一家でもありますゾーリンゲン家の男爵閣下の御息女であらせられます令嬢のナディーネさんの後ろ姿をご覧になられますと。
『貴公子のアンリと気風の良いナディーネは、俺には勿体の無い素晴らしい友人だからな』
ルネ卿はアンリ卿とナディーネさんに対して感謝はしていますが、帝国の君主であらせられます皇帝陛下に封土受領之誓いを奉りまして、爵位を叙爵されています止事無い身分であらせられます貴族諸侯の家門でありますレバークーゼン家とゾーリンゲン家に対しましては、引け目を感じていられるようです。
『パカラッパカラッ』
『恵が一緒で無くて良かった。こんな情け無い姿は見せたくはないからな』
ハンナさんはナディーネさんとルネ卿から想いを寄せられていますけれど、ハンナさん自身はナディーネさんの事は大切な幼馴染みで、ルネ卿の事は帝都魔法学園にて根元魔法を共に学ぶ学友の一人としか考えていられないようです。
『パカラッパカラッ』
『フロリアーヌはカール卿と真実を愛していると解っているから、こうして素直にハンナに対する気持ちも話せる。本当に感謝をしている』
私は異性の殿方ではカール卿を最も愛して、同性の女性ではヴェレーナさんを最も愛しているとルネ卿もご存じですから。帝都魔法学園にて根元魔法を共に学ぶ学友の一人として、私とは男女の性別の違いに関係無く本心を話せるようです。
『お役に立てて幸いに思います。ルネ卿』
『パカラッパカラッ』
『鈍感な俺から見てもアンリはナディーネに惚れているように感じるが、ナディーネはアンリをどう思っているんだろうな?』
ナディーネさんが想いを寄せていられますのは、大切な幼馴染みでもありますハンナさんです。アンリ卿によるナディーネさんへの気持ちには気が付いてはいられますが、現時点では応じる考えは無いようです。
『難しいかと思われます。ルネ卿』
私の返答を聞かれたルネ卿は、馬上にて笑われまして。
『他者の秘密は話さないフロリアーヌの事を、俺や周囲の人間は信頼しているからな♪』




