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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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563/568

エピソード563 ライン川沿いには建てられない城館

『ヒュウウウーーーッ』


『ふうっ…。夜風が心地好いな』


伯爵グラーフ閣下であらせられます御父様ファーターの城館内にて開かれました晩餐会が恙無つつがなく終了しましたので。私と、レバークーゼン家の子爵ヴァイカウント閣下の庶子にして高潔な貴公子であらせられますアンリ卿と、軍人一家でもありますゾーリンゲン家の男爵バローン閣下の御息女であらせられます女子学生としては背の高い希望ナディーネさんと、デュッセルドルフ家の上級の騎士シュヴァリエ様の子息のルネ卿の四人にて、魔道具の照明器具による淡い明かりが灯されています庭園を散策しています。


フロリアーヌとアンリとナディーネは、内務副大臣閣下と先のケルン家の女伯爵グレーフィン閣下という、非常に強力な魔力マナを身に纏われていられる女魔法使マーギエリンいの御二方の御前でも平然としていたな』


普段は元気一杯な男子学生のルネ卿ですが、内務副大臣であらせられますバーデン家の女辺境伯マルク・グレーフィン閣下と、先のケルン家の女伯爵グレーフィン閣下であらせられました御婆様グロースムッターという、非常に強力な魔力マナを身に纏われていられます女魔法使マーギエリンいの御二方の御前では、無理をして晩餐会の食事エッセンられていたように御見受けをしました。


『料理の味が全く解らないという表情をしていたなルネ』


夜会服姿のナディーネさんが、藍色ドゥンケル・ブラオの瞳による視線を向けながら話されますと、ルネ卿は素直に頷かれまして。


『内務副大臣閣下が、甘藍コールの細切りを薄塩で漬けて自然発酵させたザオアー・クラオトについて御話になられていたが、全く味が解らなかった』


ルネ卿による話を聞きました私は、金髪ブロンデス・ハールに着けています髪飾ハール・シュムックりを指差しまして。


『意志ある魔道具でもある髪飾ハール・シュムックりも沈黙したままです。ナディーネさんの腕輪アルム・バンドも同じではないですか?』


私の問いに対してナディーネさんは、左手首に填めていられます意志ある魔道具でもある腕輪アルム・バンドに視線を向けられまして。


『ああ。アタシの腕輪アルム・バンドもフロリアーヌの髪飾ハール・シュムックりと同様に沈黙したままだな。やはり女辺境伯マルク・グレーフィン閣下と女伯爵グレーフィン閣下という、非常に強力な魔力マナを身に纏われていられる女魔法使マーギエリンいの御二方が、心底恐ろしいようだな』


髪飾ハール・シュムックりと、脳内会話の念話を交わすのに慣れていますから、沈黙が長く続くと違和感を覚えるのは、ナディーネさんも私と同様なようです。


『ヒュウウウーーーッ』


『この夜風は東方向から吹いて来ていますね。アンリ卿の御父君であらせられます子爵ヴァイカウント閣下が御治めになられていられますレバークーゼン家の御領地は、伯爵グラーフ閣下であらせられます私の御父様ファーターが御治めになられていられます御領地の東側を流れる、ライン川の対岸に位置しましたね』


私の確認に対して、黒髪シュヴァルツ褐色ブルネットの肌色をされています、高潔な貴公子であらせられますアンリ卿は頷かれまして。


『はい。令嬢フロイラインフロリアーヌ女史。ケルン家の帝国騎士ライヒス・リッター様と兄上が共同にて秩序オルドヌング回復をなされた土地も、ケルン家の城館の東側に位置します』


五分ごぶの盃を交わされまして義兄弟の契りを結ばれましたファルク御兄様ブルーダーとジェローム御兄様ブルーダーですけれど。領主代行としてケルン家とレバークーゼン家の御領地を帝国騎士ライヒス・リッター身分にて御治めになられていられます。


『デュッセルドルフ家の後ろ盾となって下されている子爵ヴァイカウント閣下のレバークーゼン家の城館も、舟運しゅううんの大動脈となっているライン川沿いには建てられてはいないな。洪水対策か?』


親友でもありますルネ卿による疑問に対しまして、アンリ卿は黒髪シュヴァルツを揺らしながら頷かれまして。


『それもあるが、今でこそ当家とケルン家の関係は良好だが、一時期は領界争いで緊張関係にあったからな。ライン川沿いに城館を建てると交易船による舟運しゅううんは便利になるが、夜襲を受ける恐れが以前はあった。ルネ』


自力救済フェーデの慣習のあります封建制度を政治体制に採用しています帝国におきまして、止事無やんごとない身分であらせられます貴族諸侯として御領地と領民を御治めになられるのは、本当に大変であると思います。

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