エピソード562 フリードリヒ
『ケルン家のザオアー・クラオトは、バーデン家とは味が違うのが面白く感じます。女師匠♪』
『帝国では貴賤貧富を問わずに、ザオアー・クラオトには家庭の味がありますから。女辺境伯閣下♪』
ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様の御領地にあります城館内にて、使用人の侍女に夜会服への召し替えを手伝ってもらいましてから、晩餐会に出席をさせて頂いています。
『御父君であらせられます辺境伯閣下は御健勝かしら?。女辺境伯閣下』
ロートリンゲン公国産の葡萄酒を献酌されました、クリスタル・硝子製の器を女辺境伯閣下は置かれましてから、御婆様に対しまして。
『はい。女師匠。早く孫か孫娘の顔が見たいと、帝国南西部に位置しますバーデン家の領地から、帝都アーヘンの貴族街にあります上屋敷に手紙を送って来ます』
内務副大臣であらせられますバーデン家の女辺境伯閣下と、先のケルン家の女伯爵閣下であらせられました御婆様は、封建制度を政治体制に採用しています帝国におきまして、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方の社交界にて、天から根元魔法の素質を授かりし選良でもあります女魔法使いとして生きていかれる術を伝授なされた師弟関係にありますので。晩餐会の席におきましても、非常に和気藹藹とされました和やかな雰囲気にて会話を楽しまれていられます。
『女師匠のご子息でもあります伯爵殿には、貴族街にありますケルン家の上屋敷にて、甥の帝国騎士殿を紹介して欲しいと頼みました』
女辺境伯閣下の御言葉に対しまして、御婆様は金髪を揺らしながら御頷きになられまして。
『帝国騎士殿は祖父のフリードリヒと同じく、生来恋愛感情が欠落している非常に優秀な魔法使いですわね。女辺境伯閣下』
フリードリヒ?。どなたでしょうか。
『金髪の悪鬼の異名にて敵味方から等しく恐れられました、伝説的な傭兵でもあるフリードリヒ殿の直弟子でもあります孫ですから、帝国騎士殿は。女師匠』
…この辺りの人間関係が解りません。ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様の甥でもあります帝国騎士様が、伝説的な傭兵のフリードリヒさんの直弟子でもある孫のようですけれど?。
『最強の魔法使いでもありますフリードリヒ殿は、女師匠の下を時折訪れていられるのが、帝都アーヘンにあります内務省の建物内からも魔力感知により解ります』
女辺境伯閣下の御言葉に対しまして、御婆様は嬉しそうに笑みを御浮かべになられまして。
『フリードリヒは魔力を隠すという事を一切せずに、私に会いに来てくれます♪。女辺境伯閣下』




