エピソード555 退役少尉の影
「ボスッ」『ふうっ…』
女子寮の自室に戻りました私は、寝台の上で横たわりますと天井を見上げました…。
{御疲れのようですな。我が主}
ある意味で帝国女騎士身分の老女教授は正しいですから、髪飾り。地方部出身の平民身分の村娘に過ぎなかった私が、今では令嬢と呼ばれるのは、止事無い身分であらせられます貴族諸侯のケルン家の伯爵閣下の御父様の娘になったからに過ぎません。私自身の力では、まだ何の権利も獲得はしていないのですから。
{我が主は冷静な御方ですな。敵意を剥き出しにする老女教授による言葉でも、正しいと感じた点は受け入れられるのですな}
老女教授が自らの実績にて、帝国の君主であらせられます皇帝陛下の直臣の臣下でもあります帝国女騎士身分を獲得されたのは紛れも無い事実です。天から根元魔法の素質を授かりし選良でもあります女魔法使いとして、その点に関しては尊敬をしています。髪飾り。
{我が主のそうした冷静な物の見方が、老女教授は気に入らないのかも知れませんな?}
その可能性はあります髪飾り。老女教授は私に退役少尉の影を見ているようですから。
{我が主の最初の根元魔法の師でもあらせられます、魔法使いの退役少尉ですな}
その通りです。私が帝国の地方部にて平民身分の村娘として暮らしていた頃は、一家の家長でもありましたから。私は確かに退役少尉による影響を受けた人格の持ち主ですから、その点も老女教授は気に入らないのだと思われます。




