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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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547/563

エピソード547 今となっては私自身にさえ解らないです

『私は十三歳までは帝国の地方部にて平民身分の村娘として育ちましたから、カール卿と皆様方の御話からは本当に多くの学びを得られて心底よりの感謝をしています』


飲食店ガスト・シュテットにて夕餉ゆうげり終えますと、凛々しく精悍な逞しい黒髪シュヴァルツの殿方であらせられますカール卿と、夜の帝都の散策公園ルストガルテンを男女二人きりにて語り合いながら歩いています。


『私もフロリアーヌ女史と、帝都魔法学園の学友の皆様方からは、本当に多くの学びを得られて心底よりの感謝をしています♪』


異性の殿方の中で最も愛していますカール卿の笑顔を見ますと、私も自然と笑みが浮かびまして。


『もし帝都に来ていなければ、カール卿と皆様方に会う事の無い人生を私は歩んでいたはずですけれど、今となっては想像する事も出来ません』


私の言葉にカール卿は御頷きになられまして。


『私も幼年学校カデッテン・アンシュタルトにて寄宿生活を送りながら、帝国の君主であらせられます皇帝陛下を最高司令官とされます帝国軍の士官を目指していなければ、今もツヴィングリ男爵バローン家の領地で暮らしていてフロリアーヌ女史と知り合う機会さえ無かったのかと思いますと。幼年学校カデッテン・アンシュタルトに入学するように勧めて下された父上に対しまして、この上の無い感謝の気持ちを心底より抱きます』


{我が主とカール卿の、どちらか御一人だけでも帝都に来られませんでしたら、御二方の人生は本当に大きく変わっておりましたな}


『もしあのまま退役少尉が一家の家長をしています農家で暮らしていましたら、私は素晴らしい人生を歩む機会を失った事にさえ生涯に渡り気が付く事はなかったと思われます。カール卿』


ケルン家の伯爵グラーフ閣下であらせられます御父様ファーターに、純粋カタリーナ御母様ムッターに、ファルク御兄様ブルーダーに、豊穣テレーズィア御姉様シュヴェスターという、素晴らしい家族ファミーリエの一員となる事も出来なかった私は、一体どんな女魔法使マーギエリンいなっていたのか、今となっては私自身にさえ解らないです。

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