エピソード539 ヴェレーナさんに対しても話せない内容はあります
『ルネ卿の御父君であらせられますデュッセルドルフ家の上級の騎士様の誤解がなければ、私達による帝都魔法学園での学生生活は、今とは変わっていましたわね。花さん♪』
談話室から学生寮の女子寮にあります真実さんの部屋に移りました私達は、二人きりで寝台の上に並んで腰掛けながら話をしています。
『はい。ヴェレーナさん。実は意志ある魔道具でもあります髪飾りとも、談話室で同様の念話を交わしました』
私の返答を聞かれましたヴェレーナさんは、世界中の女性で最も愛しいと感じます笑顔を浮かべられまして。
『そうだと思いましたわ、フロリアーヌさん♪。私も首飾りと同様の脳内会話を交わしましたから』
希望さんの腕輪も多分同じですね。髪飾り。
{はい。我が主。首飾りと腕輪の反応は、同じだと思われます}
『私達は意志ある魔道具と脳内会話の念話を交わしながら、こうして実際に話すのにも大分慣れましたわね。フロリアーヌさん♪』
『はい。ヴェレーナさん。以前のように恵さんから指摘を受ける事も無くなりました』
{腕輪の主の幼馴染みにして想い人でもあるハンナ女史は、他者の表情の変化に敏感な御仁ですからな}
ナディーネさんがハンナさんを愛していられる理由の一つとして、他者の僅かな変化に気が付き細やかな気遣いを行える優しさもあるのだと思われます。髪飾り。
『私はハンナさんのように鋭い観察眼は持ち合わせてはいませんけれど、帝都の貴族街にありますケルン家の上屋敷にて、令嬢豊穣女史が帝都魔法学園への編入試験を受けられるかも知れないとの話題が出た後に、何か家族に関する重大な話をされたのは、愛しいフロリアーヌさんの反応から解りますわね♪』
ヴェレーナさんにはかないません。
『はい。ヴェレーナさんの仰られる通りです。御父様の甥であらせられます帝国騎士様に関する話題を話しましたが、非常に申し訳ないのですが、これ以上は御話する事が出来ません』
私による返答を聞かれましたヴェレーナさんは、満足気に頷かれまして。
『誤魔化さずに話せる範囲内で教えて頂きまして、心底より嬉しく思いますわね。私の愛しいフロリアーヌさん♪』




