エピソード532 苛酷な宮仕え
『財務警察の警視正をされています父上は、品評会の審査員もされています。令嬢花女史にザスキア女史』
帝都魔法学園の学生食堂にて、レバークーゼン家の子爵閣下の庶子であらせられます御令息様のアンリ卿を含みます、学友の皆様方と共に朝餉を頂いています。
『アンリ卿の御父君であらせられます子爵閣下は、絵画鑑賞を好まれるのでしょうか?』
ご母堂譲りの黒髪と褐色の肌色をされています、美男子のアンリ卿は頷かれますと。
『はい。絵画鑑賞と御自身にて描かれるのも好まれます。貴族街にあります当家の上屋敷にて、母の絵を何枚も描かれていられます。令嬢フロリアーヌ女史』
{何故だか理由は解りませんが、アンリ卿の御父君であらせられます子爵閣下は、御気に入りの愛妾の裸婦画を描かれていられるように思います?。我が主}
不思議な事に私も同じ連想をしました?。髪飾り。
『アンリの御父君は時間の使い方が上手いな。アタシの親父は職場である宮城に泊まり込みで仕事をしているから、貴族街にあるゾーリンゲン家の上屋敷には、月に一回帰れれば上出来だからな』
帝国の君主であらせられます皇帝陛下の御信任の厚い官吏として、宮城にて忠勤に励まれていられます御父君の男爵閣下の健康を、御息女の希望さんは娘として案じていられるようです。
{封建制度を政治体制に採用しております帝国におきましては、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方は、私生活を犠牲にされて皇帝陛下への忠勤に励まれていられますな。我が主}
『ザスキアのお父さんの帝国騎士様も、勤務先の外務省からあまり帰宅する事が出来ないそうだしね』
恵さんの話に対して、ザスキア女史は小刻みに首を縦に振られまして。
コクッコクッコクッ。
「は、はい。ハンナ女史。父も十日に一度外務省から帰宅する事が出来るかどうかの生活を続けています」
帝都魔法学園を首席の成績にて卒業されましたフェルディナント先輩が、ナディーネさんの兄君であらせられます勝者之民少佐の勧めを断り、帝国軍に入隊されずに傭兵となられたのは、苛酷な宮仕えを忌避された可能性があります。
{その可能性は高そうですな。我が主}




