エピソード528 環境の変化に対する適応能力
『私は十三歳までは帝国の地方部にて平民身分の村娘として暮らしていましたから、今宵のような止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方による遣り取りは、ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様の娘として生きていく上で、非常に勉強となりました』
レバークーゼン家の馬車で帝都魔法学園まで戻りますと、談話室にて待っていてくれました真実さんとザスキア女史と恵さんも交えて、七人で話をしています。
『花は本当に熱心だよね』
ゾーリンゲン家の男爵閣下から出入りを許されています、平民身分の御用商人の一人娘でもありますハンナさんが、感心したように私を見ながら話されますと。
『お子様のハンナなら、貴族諸侯の養女になるのは無理だな♪』
ハンナさんとは幼馴染みの希望さんが笑いながら仰られますと、ハンナさんは否定される事無く苦笑を浮かべられまして。
『ナディーネの言う通り私では多分無理かな。ザスキアも帝都魔法学園に入学していなければ、上級貴族の皆様方の上屋敷で、行儀見習の為に住み込みで侍女として働いていたのかも知れないんだよね?』
ハンナさんとは仲の良いザスキア女史は、小刻みに首を縦に振られまして。
「は、はい。ハンナ女史。弟の兵士は幼年学校にて寄宿生活を送りながら帝国軍の士官を目指していますけれど。姉の私は魔法使いの父から血統により根元魔法の素質を受け継いだ女魔法使いではなかったと考えますと、目の前が真っ暗になります…」
{ザスキア女史がブランデンブルク家の侯爵閣下の上屋敷などで、行儀見習の侍女として見知らね人達と共に働く姿は、確かに想像が出来ませんな。我が主}
失礼な見方だとは思いますけれど、ザスキア女史に関しては貴方と同意見です。髪飾り。
『フロリアーヌさんのように、環境の変化に対する高い適応能力を持たれていられる方は貴重ですわね♪』
笑顔で話されましたヴェレーナさんに対しまして、私も笑みを浮かべながら頷きまして。
『ありがとうございます。ヴェレーナさんにそのように仰って頂けますと、嬉しく思います♪』
{我が主は首飾りの主と、本当に仲睦まじいですな♪}
ヴェレーナさんは同性の女性の中で、私が最も愛する素敵で素晴らしい人ですから。髪飾り。




