エピソード527 隙を見せられない皆様方
「カラッカラッカラッ」
『ふうっ…』
『落ち着いたか?。ルネ』
『ああ。アンリ』
内務副大臣であらせられますバーデン家の女辺境伯閣下の上屋敷にて夕餉を頂きましてから、私とアンリ卿と希望さんとルネ卿は、レバークーゼン家の馬車にて帝都魔法学園まで送って頂けています。
『内務副大臣閣下が身に纏う魔力の強大さは、ケルン家の伯爵閣下に匹敵するからな』
私達四人は馬車の車内にて、アンリ卿とルネ卿と私とナディーネさんが向かい合う四人掛けの席に腰掛けていますけれど、隣に腰掛けていられますナディーネさんの見解に私も同意をしまして。
『帝都の貴族街にあります、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方の上屋敷の中には、全てでしたり特定の根元魔法の使用を不可能とする為の結界が張られている館もありますけれど。バーデン家の上屋敷に関しては、内務副大臣閣下御自身が非常に強力な女魔法使いである為だと思われますけれど、結界は一切張られていませんでした』
{女辺境伯閣下御自身が、バーデン家における最強の戦力という訳ですな。我が主}
隣に腰掛けています私に対しまして、ナディーネさんが藍色の瞳による視線を向けられますと。
『花の髪飾りも脳内会話の念話を再開したみたいだな。アタシの腕輪も内務副大臣閣下の御前では沈黙してたからな』
止事無い身分であらせられます貴族諸侯の、ゾーリンゲン家の男爵閣下の御息女であらせられます、令嬢のナディーネさんに対して頷きまして。
『はい。ナディーネさん。髪飾りも念話を再開しました』
私達女子学生の会話を聞かれましたルネ卿が。
『フロリアーヌは意志ある魔道具でもある髪飾りと、耳飾りの夜之祝福で、ナディーネは意志ある魔道具の腕輪だったな。アンリは子爵閣下から帝都魔法学園に入学時に拝領した、毒殺無効化の指輪だな』
親友でもありますルネ卿による確認に、レバークーゼン家の子爵閣下の御令息様であらせられますアンリ卿は頷かれまして。
『その通りだルネ。今宵のように内務副大臣であらせられる女辺境伯閣下の上屋敷にて、夕餉を頂く際に、毒殺無効化の指輪を填めたままなのは失礼ではないかと思い、父上に外すべきかと事前に御尋ねしたのだが。今宵のように他家の上屋敷にて食事を頂く際にこそ、毒殺無効化の指輪は必ず填めているようにとの御言葉だった』
バーデン家の女辺境伯閣下と、レバークーゼン家の子爵閣下は、天から根元魔法の素質を授かりし選良であらせられます女魔法使いと魔法使いとして、和気藹藹と御話になられているように見えましたけれど。やはり止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方は、隙を見せないのだと改めて再認識をしました。
{油断大敵の考え方が、帝国の止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方の間では、強く共有されているようですな。我が主}
はい。その通りだと思います。髪飾り。




