エピソード526 私達が御同席を御許し頂けました理由
『子爵殿はレバークーゼン家の領地の統治は、嫡男の帝国騎士殿に任せているのだったな?』
『はい。女辺境伯閣下。嫡男のジェロームに後見人として母親でもあります私の妻を付けまして、当家の領地の領主代行をさせております』
帝都の貴族街にありますバーデン家の上屋敷にて、ルネ卿の御父君であらせられますデュッセルドルフ家の上級の騎士様に関する御話が終わりましてから。アンリ卿の御父君であらせられますレバークーゼン家の子爵閣下と共に、夕餉を頂いています。
『卿は嫡男と次男が魔法使いなのだな。天運に恵まれたな、子爵殿』
内務副大臣であらせられますバーデン家の女辺境伯閣下の御言葉に対しまして、財務警察の警視正であらせられますレバークーゼン家の子爵閣下は、恭しく深々と御辞儀を行われまして。
『はい。女辺境伯閣下。息子の二人は救いようの無い女好きの父親とは異なりまして、自制心のある若者として成長しました』
子爵閣下には、御自身が女好きだという自覚があられたようです。
『本日も卿と二人だけで会っては、貴族諸侯の社交界でどのような噂をされるか知れたものではないから、ノイス家の領地に伴う卿の子息と学友に同席してもらったからな♪』
成る程。本日私達が御同席を御許し頂けました最大の理由は、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方の社交界にて、バーデン家とレバークーゼン家の醜聞が広がるのを防ぐ為の予防措置でしたか。
『私は独身だから構わぬが、卿には妻が居るからな。子爵殿』
『はい。女辺境伯閣下』
内務副大臣であらせられますバーデン家の女辺境伯閣下は、独り身なのですね。
『バーデン辺境伯領を統治している、先の辺境伯の父上からは、早く結婚して孫か孫娘の顔が見たいと毎月便りが届いてな。気持ちは解らないでもないが、今の私は内務副大臣と衛兵隊の総隊長の仕事が楽しいので、伴侶を積極的に探す気にはならなくては』
先のバーデン家の辺境伯閣下は、家督と御領地を御譲りになられました御息女であらせられます女辺境伯閣下の婚姻に関しては、御自身に一任されているのですね。




