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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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エピソード52 多様な境遇にて成長された

『御馳走様でした』


学生食堂メンザでの遅めの夕餉ゆうげり終えましたが、今宵の料理も非常に美味しくて、身体が内側から暖まりました。


上屋敷かみやしきで夕飯を食べていけと誘ってくれたお袋には悪いが、学生食堂メンザで食べた方が気が楽だからな』


{我が主の学友でもある令嬢フロイラインからすれば、大切な幼馴染みと一緒に過ごす時間が何よりも貴重なのであろうな♪}


髪飾ハール・シュムックりによる見解に、基本的には同意しますが。希望ナディーネさんが大切な幼馴染みでもあるハンナさんに対して、どのような感情を抱いているかは、完全に個人の問題です。


『今日は流石に疲れたからな、歯磨きして寝るとするか』


表情に疲労を滲ませたナディーネさんが、少し眠たげな声にて話されましたが。


『私は少し明日受講予定の講義の予習をしてから、就寝をする事にします』


私の言葉に対してナディーネさんは、灰白色アッシュ・グラオの髪の毛を軽く揺らしながら苦笑を浮かべられまして。


フロリアーヌは体力があるな。いや、精神力の方か?』


競売会の会場の壇上にて、私に御声掛けをして下された止事無やんごとない身分であらせられる兄妹けいまいの素性に関しては、上屋敷かみやしきにて准将閣下から御聴かせ頂きましたので。男爵バローン閣下の御息女であらせられる令嬢フロイラインのナディーネさんが、気疲れなされた理由は解ってはいますが。


『地方部出身の平民身分の私は、帝国の貴族諸侯であらせられる皆様方の社交界に関しては完全に無知ですので。ナディーネさんと真実ヴェレーナさんが、本日経験なされた疲労感を覚えていないだけです』


人間は生まれ育った環境により、何に対して警戒するべきか異なる判断基準を持つようになります。


『私の場合は生まれ育った地方部では、帝都とは異なり街灯もありませんでしたから。身近の現実的な脅威として、夜道を独り歩きする際に野生の獣に襲われたりするのが、一番危険だと感じる環境でしたから』


地方部出身の私の説明に対して、令嬢フロイラインのナディーネさんと、免状貴族エードラー身分のヴェレーナさんと、平民身分のハンナさんは。三人揃って成る程と得心された表情を見せられまして。


『アタシは親父が治める領地で狩猟ヤークトをする際には、爺さんや兄貴達が側に居たからな。街灯の無い夜道を独り歩きした経験はぇな』


ナディーネさんの話しに、ヴェレーナさんとハンナさんも頷いて同意を示されまして。


『私は基本的にこれまでの人生の大半を、生まれ育った帝都にて過ごして参りましたから。幼い頃に身代金目的の犯罪者に誘拐されかけた経験はありますけれど、フロリアーヌさんのように野生の獣を現実的な脅威と認識した事はありませんわね』


帝都にて手広く商売をなされていられる、免状貴族エードラー身分の豪商を御父君に持たれるヴェレーナさんは、男爵バローン閣下の御息女であらせられる令嬢フロイラインのナディーネさんとは、異なる種類の苦労をされて来られたようです。


『そういう意味では私が一番楽かな?。お父さんはナディーネの男爵バローン家に、出入りを御許し頂いている御用商人だけれど。ヴェレーナの家みたいに高額納税者の免状貴族エードラー身分では無いから、特に目立たずに過ごせて来たから』


{我が主の同い年の学友は、多様な境遇にて成長された女魔法使マーギエリンいが揃われていられるな♪}


その見解に関しても同意をします。髪飾ハール・シュムックり。

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