エピソード516 ヴェレーナさんに考えを読んでもらえますと
『ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様の甥の帝国騎士様には、心底よりの感謝をしなければならないと思います。真実さん』
『花さんの仰られる通りですわね♪』
帝都魔法学園の談話室での話しを終えまして、学生寮の女子寮にあります、ヴェレーナさんの部屋で寝台の上に並んで腰掛けながら、二人きりで話しをしていますけれど。
『御父様とツヴィングリ男爵閣下が、私がカール卿に結婚しました後も、ヴェレーナさんとの関係を続けるのを認めて下されるのは、非常に優秀な魔法使いではありますけれど、生来恋愛感情が欠落なされていて、婚姻関係を結ぶのが難しい帝国騎士様という御方の存在により。私はまだしも御し易いと、受け止めていられるのだと思われます』
ケルン家の伯爵閣下であらせられます御父様からしますと甥で、ツヴィングリ男爵閣下からしますと猶子となります帝国騎士様は、生来恋愛感情が欠落なされていて誰も何も愛さない御方だそうですから、ある日突然全てを捨てて、異国に亡命なされる可能性が常にある、非常に優秀な魔法使いとなります。
『希望さんから聞いた話しも総合して勘案をしますと、フロリアーヌさんの御父様であらせられます伯爵閣下は、甥の帝国騎士様をツヴィングリ男爵閣下の猶子となされまして、二箇所の御領地を御治めになられる御領主様ともしまして、尉官の大尉の軍階級とされたそうですわね。フロリアーヌさん』
誰も何も愛され無い、非常に優秀な魔法使いであらせられます帝国騎士様を、封建制度を政治体制に採用しています帝国内に留める為に、御父様とツヴィングリ男爵閣下は、婚姻以外の様々な手段を用いられています。
『誰も何も愛さない御方を、帝国の封建制度の柵の中に捕らえ続けるには。身分と立場と軍階級にて、帝国の枠組の中にて欠かせない存在とするしかないのだと思われます。ヴェレーナさん』
生来恋愛感情が欠落なされていましても、権力欲や金銭欲の強い性格をされていれば、本人が望む権力や金銭を提供する事により、帝国内に留め続ける事も可能なのですけれど…。
『昨年の夏に叡智学園の男子学生として、御学友の皆様方と警備隊と共に、北方半島王国が後ろ盾となっていました海賊を殲滅なされた際にも、必要以上の報酬は一切要求されなかった無欲な御方のようですから。権力欲や金銭欲を利用する事も出来ないようですわね。フロリアーヌさん♪』
{首飾りの主は、我が主の考えを読むのが本当に巧みな御方ですな}
ヴェレーナさんに考えを読んでもらえますと、気持ちを理解してもらえたと感じて、心地好く感じます。髪飾り。
『はい。ヴェレーナさん。私も同じ考えでした』
私による返答を聞かれたヴェレーナさんは、楽し気な笑みを見せられまして。
『当たっていましたわね。私の愛しいフロリアーヌさん♪』




