エピソード515 帝都から見ました帝国の北の玄関口
『去年の夏に北方半島王国が後ろ盾となっていた海賊が殲滅された時には、爺さんと兄貴達が働いている軍務省が情報収集に追われていたな』
帝都魔法学園に戻りまして、談話室にて希望さん達と話しをしています。
『財務警察の方にも軍務省から、海賊を殲滅した叡智学園にて根元魔法を学ぶ当時は十三歳でした男子学生の魔法使いに関して何か知らないかとの問い合わせがあったと、父上が仰られていました。令嬢ナディーネ女史』
財務警察の警視正であらせられます、レバークーゼン家の子爵閣下の御令息様でありますアンリ卿の言葉に対しまして。軍務省にて精勤なされていられます、ゾーリンゲン家の准将閣下の孫娘でもあります令嬢のナディーネさんが頷かれまして。
『今ではケルン家の伯爵閣下の甥だと解っているが、当時は帝国軍の指揮系統に一切属さない無名の十三歳の魔法使いが、叡智学園の学友や帝国自由都市リューベックの治安維持を担う警備隊と共に、北方半島王国が後ろ盾となっていた海賊を殲滅したからな。爺さんの世代は最強の魔法使いにして傭兵だった、金髪の悪鬼の再来を予感したらしいな』
{帝国自由都市リューベックは団体の盟主でもあります帝国の北の玄関口ですが、帝都からは遠く離れていますから、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方からしますと、突然現れた魔法使いの若者は何者だと混乱なされたのでしょうな。我が主}
貴方が非常に強力な魔法使いであらせられます御父様を恐れて、帝都の貴族街にありますケルン家の上屋敷内では沈黙するのと同程度に、警戒なされた可能性はありますね。髪飾り。
『財務省の調整官であらせられますヴュルテンベルク家の城伯閣下が、跡継ぎの帝国騎士様が叡智学園にて根元魔法を学ぶ御学友という縁により、御父様の甥であらせられます帝国騎士様と接触なされていられますのも、止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方からしますと、突然現れたように見えます将来有望な魔法使いを、帝国軍の指揮系統内に収める目的がある訳ですね』
私の見解にナディーネさんは頷かれまして。
『ああ、そうだろうな花。帝都と帝国自由都市リューベックを繋ぐ電信網の整備を急ぐ理由も、帝国の北の玄関口で何が起きているのか素早く把握する事が出来るようにするのが、主要な目的の一つだろうからな』
{封建制度を政治体制に採用しております帝国では、帝都の外で起きている出来事を把握するのが難しいですからな。我が主}
帝国自由都市リューベックは、団体の盟主という特別な立場ですから、豪商により構成される参事会が合議制にて統治を行われていられますけれど。止事無い身分であらせられます貴族諸侯の皆様方が御治めになられていられます御領地に関しても、内部にて何が起きているのか素早く把握するのは難しいのが、帝国の封建制度ですからね。髪飾り。




