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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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513/553

エピソード513 誰も何も愛さない御方

『ツヴィングリ男爵バローン殿は、フロリアーヌが帝都魔法学園を卒業後も、同級生の女魔法使マーギエリンい殿と同棲生活を送るのは、反対されないそうです』


『有難う御座います。御母様ムッター


ケルン家の伯爵グラーフ閣下であらせられます御父様ファーターの御正妻にして、ブランデンブルク家の侯爵フュルスト閣下の妹君いもうときみでもあります御母様ムッターは、トホターである私に対して御頷きになられますと。


『カール卿が事前に手紙にて、ご父君でもあります男爵バローン殿に事情を説明されていたそうです。恋人であるフロリアーヌの気持ちを尊重する殿方であると、感心をしました』


御母様ムッターの御言葉に対しまして、私は心底よりの同意を示しながら、恭しく深々と御辞儀を行いまして。


『はい。御母様ムッター。カール卿は幼年学校カデッテン・アンシュタルトの野外演習を終えられまして、一段と逞しくなられました凛々しく精悍な殿方な上に、私の話しを真剣に聴いて尊重して下さいます』


トホターである私によるカール卿への嘘偽りの無い気持ちを聞かれました御母様ムッターは、笑顔にて御頷きになられまして。


『私はブランデンブルク家からケルン家に輿入れしましたが、帝国の貴族諸侯の家門の大半と同じく政略結婚による婚姻でしたけれど、伯爵グラーフ閣下は妻として心から愛して下さるようになりましたわ♪』


御母様ムッタートホターの私による、女性同士による会話を黙って聞かれていました御父様ファーターでしたが、優しく微笑まれまして。


『妻として私を支えてくれて、本当に感謝をしている♪』


『嬉しく思いますわ。伯爵グラーフ閣下♪』


御父様ファーター御母様ムッターの御夫妻は、二人きりの時にはお互いを名前で呼び慣わされるそうです。御夫妻で二人きりにて過ごす時間を、本当に大切になされていられます。


『私の甥でツヴィングリ男爵バローン殿の猶子ゆうしとなった帝国騎士ライヒス・リッター殿は、非常に優秀な魔法使マーギアーいなのだが。男爵バローン殿からの手紙と騎士リッターからの報告によると、生来恋愛感情が欠落しているそうでな。男爵バローン殿からすると、帝都魔法学園にて根元魔法を学ぶフロリアーヌが、愛情豊かな女魔法使マーギエリンいである事に、一種の安心感を覚えているようだ』


ケルン家の伯爵グラーフ閣下であらせられます御父様ファーターの甥の帝国騎士ライヒス・リッター様は、団体ハンザの盟主でもあります帝国自由都市リューベックにあります叡智ヴァイスハイト学園にて根元魔法を学ばれています、私とは同い年の魔法使マーギアーい様だとは聞き及んでいます。


『ヴュルテンベルク家の城伯ブルク・グラーフ殿の跡継ぎとなる帝国騎士ライヒス・リッター殿も、帝国自由都市リューベックにある叡智ヴァイスハイト学園にて根元魔法を学んでいる魔法使マーギアーいだが。私の甥は恩義と友情に厚い性格をしているので、学友との関係は非常に良好らしいが、誰も何も愛さないそうだ』


誰も何も愛さない御方には、世界がどのように見えるのでしょうか…。

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