エピソード51 様々な可能性が開ける
『私は眩惑と防御魔法を常時発動していますけれど、髪飾りには二種類の根元魔法を封じ込める事が出来ます』
学生食堂にて遅めの夕餉を摂りながら行った私の説明に対して、恵さんが赤茶色の短いツインテールを揺らしながら頷かれまして。
『女子寮の私の部屋で、希望からも同じ話しを聞いたけれど。それって魔道具の装飾品を身に付けてさえいれは、眩惑と防御魔法以外でも、好きな根元魔法を封じ込めておけるって事だよね?』
ハンナさんは私と同じ平民身分の女魔法使いですが、男爵閣下の御息女であらせられる令嬢のナディーネさんと同い年の幼馴染みという関係により、一般的な平民身分の女子が受けられるよりも高度な教育を、帝都魔法学園に入学する前から学ばれていられますから、理解が速くて助かります。
『はい。その通りですハンナさん。不可視となる姿隠之魔法を封じ込めれば、身に付けただけで周囲から見えなくなりますし。戦闘となれば、眩惑と防御魔法を封じ込めた状態で、更に魔法障壁を周囲に展開しながら、衝撃波や麻痺魔法や火矢による攻撃も可能となります』
私による説明を隣の席に腰掛けながら聞かれていられた真実さんが、上品な笑みを浮かべつつ。
『帝都魔法学園にて学ばれている二年生の女子学生の中では、同時に三種類の根元魔法を発動出来る女魔法使いは、花さんだけですけれど。魔道具の装飾品に眩惑と防御魔法を事前に封じ込めておけば、姿隠之魔法により周囲から見えなくなった状態で、更に魔法障壁を展開してから、麻痺魔法や衝撃波や火矢の一つを選んでの、一方的な攻撃が可能となりますわね♪』
魔道具の首飾りを下げていられるヴェレーナさんによる説明に、右手首の腕輪を填めていられるナディーネさんが、灰白色の髪の毛を揺らしながら頷かれて同意をされまして。
『アタシやヴェレーナは、フロリアーヌとは異なり同時発動出来る根元魔法は二種類が限界だが、新たに手に入れた魔道具を上手く使えば、同時に使える根元魔法が二倍の四種類に増えるのは大きいな』
特定の強力な効果が付与されている遺失魔道具もありますが、私とヴェレーナさんとナディーネさんが手に入れた装飾品の魔道具は、女魔法使いとしての使い方次第により、様々な可能性が開ける非常に使い勝手が良くて便利な、髪飾りと首飾りと腕輪になります。




