エピソード50 否定する気にはなれない感想
『ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ』
チラッ、チララッ。ジイッ…。
『希望が腕輪で、真実が首飾りで、花が髪飾りの魔道具なんだ?』
学生食堂にて合流した私達四人ですが、赤茶色の髪の毛を短いツインテールにされている恵さんが、薄茶色の瞳を隣の席に腰掛けていられます、灰白色の髪の毛をされていられます、幼馴染みのナディーネさんに向けて確認されますと。
『ああ、さっき女子寮のハンナの部屋で説明した通りだ』
帝国の貴族諸侯であらせられる、男爵閣下の御息女の令嬢でもあるナディーネさんは、先程までは主に競売会での心労により疲労困憊されている御様子でしたが。大切な幼馴染みでもあるハンナさんの部屋で二人きりで過ごされた事により、いつもの気風の良い話し方に回復されたようです。
『私は帝都に来てから、ヴェレーナさんの勧めで伸ばして長髪にしている金髪を纏めるのに、髪飾りがあれば便利だと考えました。ハンナさん』
金髪と瑠璃之青の瞳をしている私による説明に、短いツインテールにされているハンナさんは元気良く頷かれまして。
『花は帝都魔法学園に入学した当時は活動しやすいように短髪だったものね。女子寮で隣室のヴェレーナが繰り返し説得して、根負けする形で髪の毛を伸ばし始めたけれど』
ハンナさんの感想に対して、銀白色の髪の毛を伸ばしていられますヴェレーナさんが、魔道具の首飾りを下げられながら、上品な笑みを浮かべつつ、緑青色の瞳による視線を隣に腰掛けている私に向けられまして。
『フロリアーヌさんが美しい金髪を短く切られるなど、勿体なくて商家に生まれた身として断じて許せませんわ♪』
…笑いながら話されたヴェレーナさんによる言葉でしたが、私による反論を許さない有無を言わせない迫力を感じました。
『ヴェレーナによるフロリアーヌに対する態度は少し重いよね。ナディーネはそう感じない?』
隣に腰掛けていられますハンナさんが、無条件の信頼を寄せる飼い主を見上げる仔犬のような、純真無垢な眼差しを幼馴染みに向けられますと。ナディーネさんは、御自身の藍色の瞳を逸らされまして。
『さあな。アタシには解ら無ぇな…』
{あのハンナとかいう女魔法使いは、悪意無くやっているのが、より性質が悪いと感じるな。我が主よ}
ナディーネさんとハンナさんの遣り取りを見た私も、髪飾りによる念話の感想を否定する気にはなれませんでした。




