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本好きの女魔法使い  作者: クリストファー


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エピソード5 帝国の封建制度

『ワイワイ・ガヤガヤ・ザワザワ』チラッ、チララッ。ジイッ…。


『今宵も学生食堂メンザは混雑していますね。真実ヴェレーナさん』


『はい。フロリアーヌさん。私のような帝都生まれでも、根元魔法を集中して学ぶ為という口実で家族を説得されて、学生寮シュトゥデンテン・ヴォーンハイムでの寄宿生活を選んで親元を離れる学生は多いですから』


公衆浴場バーデ・ハオスでの湯浴みを済ませましてから、洗濯屋に立ち寄ってから帝都魔法学園の学生食堂メンザにヴェレーナさんと共に訪れていますが。混雑しているので座る席を見付けるのが大変そうです。


『ヴェレーナとフロリアーヌ。ここが空いてるぜ』


混雑している学生食堂メンザの中でも良く通る独特な魅力のある声が聞こえましたので、ヴェレーナさんと揃って視線を向けまして。


希望ナディーネさんも、夕餉ゆうげられに来られていましたか』


私の言葉にナディーネさんは頷かれまして。


『ああ。上屋敷かみやしきの親父とお袋の所に顔を見せに行ってたんだが。夕飯はこっちで食べた方が落ち着くからな』


ナディーネさんは帝国の貴族諸侯であらせられる、男爵バローン閣下の末子の令嬢フロイラインですが。免状貴族エードラー身分の商家の生まれのヴェレーナさんと、平民身分の私とも、帝都魔法学園で共に根元魔法を学ぶ学友として気さくに接して下されています。


『御両親に御変わりはありませんか?。ナディーネさん』


学生食堂メンザの向かい側の席に腰掛けた私に対して、ナディーネさんは頷かれまして。


『ああ。親父は宮城勤めの官吏だが、男爵バローンの爵位なら皇帝陛下に拝謁する機会は滅多に無いからな』


私達の故国である帝国は、君主であらせられる皇帝陛下を頂点にいただく封建制度を政治体制に採用していますが。


『親父からすれば、要職に就かれていられる上級貴族ホーホ・アーデルの皆様方の下で働く宮仕えの立場の方が、気楽で合っているようだからな』


地方部出身の平民身分の村娘でした私は、貴族諸侯であらせられる皆様方の爵位の違いは帝都に来るまでは意識する事がありませんでしたが。


『帝国の要職は、侯爵フュルスト閣下以上の爵位であらせられる上級貴族ホーホ・アーデルの皆様方が占められていますわね』


帝都で生まれ育った免状貴族エードラー身分のヴェレーナさんに対して、男爵バローン閣下の御息女であらせられる令嬢フロイラインのナディーネさんは、軽く肩を竦められまして。


『うちみたいな下級貴族は、宮城で官吏として働き宮仕えをさせてもらえるだけでもおんだからな。ヴェレーナ』

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