エピソード496 幼き日々の思い出の象徴
『魔道具の街灯の明かりが灯されています夜の帝都を、こうして学友の皆様方と共に歩いて移動する事が出来るのは、非常に幸せに感じます』
飲食店での夕餉を摂り終えまして、湯浴みをする為に公衆浴場に向かう為に夜の帝都を歩いて移動しています。
『内務省の建物へ移動する時も馬車だったし、花の場合は帝都の貴族街にあるケルン家の上屋敷に向かう際には、帝都魔法学園から馬車で移動しているからな。自分の足で自由に歩いて移動するのが幸せに感じる気持ちは、アタシも理解可能だな』
ゾーリンゲン家の男爵閣下の御息女であらせられます、令嬢の希望さんの言葉に、アンリ卿も同意をされまして。
『帝都魔法学園にて根元魔法を学ぶ為に寄宿生活を始める前は、父上が御治めになられていられますレバークーゼン家の御領地にて、馬で遠乗りに出掛けたり狩猟を行えましたが、帝都での暮らしは行動の制約が多いのは事実です。令嬢フロリアーヌ女史に、令嬢ナディーネ女史』
アンリ卿の話に、仲の良い男子学生でもありますルネ卿も頷かれまして。
『親父が治めるデュッセルドルフ家の領地の西側を流れるライン川を往き来する交易船を眺めながら、釣り糸を垂らして過ごした日々が少しだけ懐かしくも感じるな』
{我が主と同い年のルネ卿が、妙に年寄り染みた思い出話をされていますな?}
少し失礼な感想かと思いますけれど、同感です髪飾り。
『内務副大臣閣下が事を穏便に済ませて下さらなかったら、釣り糸を垂れていたライン川を渡り、ノイス家の領地に攻め込む必要が生じていたかも知れない…』
成る程。
{ルネ卿からしますと、穏やかな日々の象徴でした思い出のライン川を、一つ間違えば血に染めていたかも知れないとの恐怖心があるようですな。我が主}
ルネ卿にとっては、帝都魔法学園に入学するまで暮らしていられました、御父君であらせられます上級の騎士様が御治めになられていられます、デュッセルドルフ家の御領地の西側を流れるライン川は、幼き日々の思い出の象徴となっているようですね。髪飾り。




