エピソード493 ノイス家を取り囲む東西南北
「パラッ」
『ノイス家の上級の騎士様が御治めになられていられます土地は、南側に私の御父様であらせられます伯爵閣下のケルン家の御領地と領界を接していられまして、東側にライン川を挟んでルネ卿の御父君であらせられます上級の騎士様が御治めになられていられますデュッセルドルフ家の御領地と隣接されていられますね』
帝都魔法学園の談話室から、図書館へと場所を移しまして、私達でも閲覧可能な地図を広げて確認を行いますと。
『親父はライン川に橋を架けたくて、何度かノイス家の上級の騎士様に協議を持ち掛けたんだが。伝統を重んじて他家との関わりを避ける家風なんで、会ってさえもらえなくてな』
ルネ卿による説明に、レバークーゼン家の子爵閣下の御令息様であらせられますアンリ卿も同意をされまして。
『デュッセルドルフ家の後ろ盾をしています当家としましても、ライン川に橋を架ければ伯爵閣下が御治めになられていられますケルン家の御領地以外にも、ライン川を安定的に通過して物流が盛んになるとの考えから、何度か父上が帝国郵便の郵便馬車を使い書状をノイス家に届けさせましたが。丁寧ではありますが全く関心が無いとの返事が届くだけでした』
{ノイス家の上級の騎士殿は、貴族諸侯であらせられますレバークーゼン家の子爵閣下には、一応は返事を書いて送っていたのですな。我が主}
『完全に孤立されている訳では無いのですね。ノイス家の上級の騎士様は』
私の確認に対して、アンリ卿は地図を指差されまして。
『ノイス家の土地は、南側はケルン家と東側はライン川を挟んでデュッセルドルフ家と隣接していますが。他にも西側はメンヒェングラートバッハ家と隣接されて、北側はクレーフェルト家と隣接されていますので。伝統を重んじられまして他家との関わりを避けてはいましても、免状貴族身分の商人や平民身分の領民による交流はあります。令嬢花女史』
上級の騎士様が御治めになられていられますノイス家の土地は、陸の孤島という訳では無いのですね。
『教えて頂きましてありがとうございます。アンリ卿』
私のお礼に対して貴公子のアンリ卿は笑われながら。
『令嬢フロリアーヌ女史は、ジェローム兄上の義理の妹ですから♪』
アンリ卿の言葉の意味が解らずに、ザスキア女史と真実さんと恵さんが、揃って不思議そうな表情を見せられましたので。
『隼御兄様と、レバークーゼン家の帝国騎士様であらせられますジェローム卿は、五分の杯を交わされて義兄弟の契りを結ばれていますので。ファルク御兄様の妹の私は、ジェローム御兄様の義理の妹という事になります』
私の説明を聞かれたヴェレーナさんが、楽し気な笑みを見せられまして。
『フロリアーヌさんは、素敵な御兄様が増えられたのですわね♪』
私に御兄様が増えた事を喜んで下されるヴェレーナさんに対して、私も笑顔を浮かべまして。
『はい。ヴェレーナさん。ファルク御兄様とジェローム御兄様は、素敵な義兄弟の御二方です♪』




