エピソード485 実際の経験により得られた学び
『花さんとは一晩中でも御話をしたいですけれど、明日は兄君であらせられますケルン家の帝国騎士様と共に、内務省を訪れなければいけませんから、今宵は御開にしたく思いますわ♪』
帝都魔法学園の学生寮の女子寮にあります、真実さんの寝台の上に並んで腰掛けながら二人きりで御話をしていますと、楽しくて時間が直ぐに過ぎてしまいます。
『はい。ヴェレーナさん。帝都魔法学園の在学中に二人で帝国女騎士身分を得ましたら、卒業後に一晩中語り合えるのを楽しみにしまして、今宵は自室に戻る事にします』
帝都魔法学園に入学した当時は、地方部出身の平民身分の村娘に過ぎなかった私に、帝都にて生きていく術を御教授して下されたヴェレーナさんは、私に対して優しく頷きまして。
『御休なさい。愛しいフロリアーヌさん♪』
『はい。御休なさい。愛しいヴェレーナさん』
ヴェレーナさんと挨拶を交わしました私は、非常に名残惜しい気持ちを抱きながら隣室でもあります自室へと戻りました。
{今宵も就寝前に明日の予習をされますかな?。我が主}
そうですね…。明日は隼御兄様と共に内務省に行かなければ行けませんから、眠そうな顔をしていましたら、帝国騎士身分のファルク御兄様に御迷惑を掛けますから。今宵は歯磨きと洗顔を済ませてから就寝する事にします。髪飾り。
{我が主は柔軟に日々の習慣を変える事が出来る御方ですな♪}
歯磨粉と歯磨楊枝と石鹸と手拭いを用意しながら、髪飾りに対して。
私は地方部にて退役少尉が一家の家長をしています農家の村娘として生まれ育ちましたから、翌日の予定は天候の急変等の理由により変更せざるを得ない暮らしを送って来ました。髪飾り。
{成る程。確かに帝国軍にて三十年間勤め上げられまして、軍人恩給を受給されている魔法使いの退役少尉でも、天候の急変は根元魔法ではどうしようもありませんからな。我が主}
歯磨きと洗顔の準備を終えました私は、自室の扉を開きながら。
「カチャッ」
根元魔法に限らずこの世には万能な能力などは存在しませんが、私は地方部の農家での暮らしの中で、実際の経験により学びました。髪飾り。




