エピソード478 見れば解る気持ち
『希望さん達の人間関係は複雑ですわね。花さん♪』
『はい。真実さん』
談話室での話を終えましてから、私とヴェレーナさんとザスキア女史の三人は、女子寮の私の部屋に移動をしまして、私とヴェレーナさんは寝台に並んで腰掛けまして、ザスキア女史には勉強机の椅子に座ってもらい話をしています。
『恵さんはナディーネさんとの会話で納得をされていましたけれど、ヴェレーナさんとザスキア女史は、今回参加する機会を得られなかった件に関しては、何も仰られませんでしたね?』
私の疑問に対して寝台で並んで腰掛けていますヴェレーナさんと、勉強机前の椅子に座られていますザスキア女史は。
『急いては事を仕損じると昔から言いますわフロリアーヌさん♪。次の機会を待つ事にしますわ』
「ヴ、ヴェレーナ女史の仰られる通りです。令嬢フロリアーヌ女史」
{首飾りの主とザスキア女史は、冷静な女魔法使いですな。我が主}
お二人が私とアンリ卿とナディーネさんとルネ卿に嫉妬されていなくて、非常に安心をしました。髪飾り。
『ルネ卿はハンナさんと行動を共にする事が出来ずに、残念に感じていられたようですけれど♪』
私の隣に腰掛けるヴェレーナさんの話に、ザスキア女史も小刻みに首を縦に振りながら同意をされまして。
コクッコクッコクッ
「は、はい。アンリ卿は令嬢ナディーネ女史が行動を共にされますけれど、令嬢ナディーネ女史の心がハンナさんに向いている事には、気が付かれているようですから…」
ふむ?。やはり皆さんナディーネさんによるハンナさんへの想いには、気が付いていられるようですね。
{腕輪の主からハンナ女史への気持ちに関する恋愛相談を受けたのは我が主だけのようですが、見れば解るという事のようですな}
『アンリ卿はレバークーゼン家の子爵閣下の御令息様で、ナディーネさんはゾーリンゲン家の男爵閣下の御息女ですから。アンリ卿が帝都魔法学園に入学する以前から害獣駆除の為の狩猟を共にされて来ましたナディーネさんに好意を寄せていましても、個人の感情だけでは思いを遂げるのは非常に難しい身分と立場にあります』
私の場合はカール卿とヴェレーナさんという、異性と同性で最も愛する人達と関係を育めていますから、心底より天に感謝をしています。




