エピソード476 参加予定の四人
『私がケルン家の当主として治める領地の北側に、ノイス家の上級の騎士殿が支配する土地がある。花』
『はい。御父様』
異性の殿方の中では世界一愛していますカール卿が御不在の間は、帝都魔法学園での講義を終えましてから、私は毎日帝都の貴族街にありますケルン家の上屋敷にて、御父様と純粋御母様と豊穣御姉様と共に、家族四人にて夕餉を頂いています。
『シュヴァイツ共和国のアルプス山脈に源を発するライン川の下流にノイス家の土地はあるので、領民の中には交流がある者もそれなりには居るので、知人や縁者には、今の内に当家の領内に移住するように勧めさせている』
御父様は、止事無い身分であらせられます貴族諸侯にして、帝都憲兵隊の副総監の要職に就かれていられます、ケルン家の伯爵閣下ですが。御自身が御治めになられていられます御領地内にて暮らす平民身分の領民に対しては、細やかな御気遣いを欠かさない御領主様でもあります。
『まあ、生まれ育った土地を離れるのを嫌がる者も居るが、それは自己判断だからな』
故郷に留まり争いに巻き込まれるのも、自力救済の慣習があります帝国においては自己責任とされます。
『今回の件の発端は、ノイス家の上級の騎士殿が内務省の官吏を追い払ったからなので、内務省主導で動くので。帝都憲兵隊の副総監をしている私と、財務警察の警視正をしている子爵殿は、直接の関与は出来ないが。フロリアーヌとレバークーゼン家の庶子、それに宮城にて皇帝陛下の御信任の厚い官吏として働いているゾーリンゲン家の男爵殿の息女の三人は、口実を設けて参加させる予定でいる』
『御手を煩わせまして、申し訳御座いません。御父様』
娘である私が恭しく深々と御辞儀を行いまして心底よりの御礼を申し上げますと、御父様は微笑まれまして。
『気にする必要は無いフロリアーヌ。ああ、それと、事を荒立てたデュッセルドルフ家の上級の騎士殿の子息にも責任を取る形で参加をしてもらうので。帝都魔法学園にて根元魔法を学ぶ学生の四人で、共同で動いてもらう事になる』
私とアンリ卿と希望さんとルネ卿の四人ですね。
『はい。御父様』




