エピソード47 詳細な報告と魔道具
『二度と競売会絡みの依頼は受け無ぇからな。爺さん』
帝都の貴族街にあります、希望さんの御父君であらせられる男爵閣下の上屋敷まで馬車で戻って来ましたが。御爺様であらせられる准将閣下と会われたナディーネさんは開口一番不満を述べられましてから、競売会での出来事を詳細に説明されました。
『成る程な。あの御方の御令息と令嬢も、競売会に参加されておったか』
ナディーネさんの御爺様であらせられる准将閣下は、孫娘による詳細な報告を聞かれながら、競売会にて真実さんが巧みな手腕で競り落とされました、根元魔法の傀儡師が付与されている、帝国軍から横流しされた魔道具に御自身の魔力を流し込まれまして、反応を入念に調べられますと。
『使用された形跡は無いな。対象者を術者の信奉者に変えてしまう傀儡師は、根元魔法の中でも特に危険であるが。最前線で偵察隊が速やかに正確な情報を引き出す際には、非常に有用であるからな』
ナディーネさんの御爺様であらせられる准将閣下と、帝国騎士身分の御三方兄君は、天から根元魔法の素質を授かりし魔法使いですが。傀儡師は習得するのが非常に難しい根元魔法ですので、最前線に配置されている帝国軍人でもある魔法使いの皆様方の中に、必ず傀儡師が使える御方が居られるとは限りませんから。個人の能力に依存しない魔道具として製造して備品にするのは、帝都魔法学園で根元魔法を学んでいる女魔法使いの私から見ましても、理に適っていると思います。
『依頼を無事に果たしてくれて感謝するが。別の厄介ごとが生じた訳だな』
准将閣下はそう仰せになられますと、私が金髪に着けている髪飾りと、孫娘でもあるナディーネさんの腕輪と、ヴェレーナさんの首飾りに視線を向けられました。




