エピソード44 意志ある魔道具でもある遺失魔道具
『それでは開始させて頂きます』
競売会の進行役の係員の方はそう仰られますと、壇上の机の上に載せた箱の鍵を開けられました。
『楽しみですわね。御兄様♪』
『その通りですね』
進行役の係員の方からは。
【多少の危険は冒しても構わない御考えの方が居られましたら】
このような警告をされていますが、非常に強力な魔力を身に纏われていられる兄妹の魔法使いと女魔法使いでもある御二方は、御自身の根元魔法の能力に絶対的な自信を持たれていられるようですので。心から楽しんでいられるように御見受けします。
『ガチャッ、パカッ』
『シュウウウッ』
進行役の係員の方が開けられました箱は、中の意志ある魔道具でもある遺失魔道具の強力な魔力が外に漏れ出ないようにする効果が付与されていたようです。蓋を開けますと中から輝く金色の光と共に、異質な魔力が溢れ出ました?。
{ほう。大して期待はしていなかったが、少しは魔力を身に纏っている者も居るようではないか}
輝く金色の光に包まれていますので、箱の中の意志ある魔道具でもある遺失魔道具の形状を視認する事は出来ませんが、私達の頭の中に直接話し掛けて来ているようです。
{五人全員が直ぐに頭に直接話し掛けて来ていると理解したか。将来有望な魔法使いと女魔法使いだ}
非常に尊大に感じる話し方ですが、意志ある魔道具でもある遺失魔道具は、全てこうした性格をされているのでしょうか?。
{いや、そんな事は無い。最近二人目の主に仕え始めた幸運児の腕輪は、一切喋らぬ寡黙な性格をしておるな}
成る程。私達も言葉を口に出さなくとも、意志の疎通が可能なのは非常に便利です。
{五人中三人が便利と考えて、二人は自らの頭の中身を覗かれるのを不愉快に感じたか}
私の考え方は、壇上の五人の中では多数派だったようです。




