エピソード34 魔法よりも生菓子のハンナさん
『二世代前の祖父の世代では、根元魔法の中でも召喚魔法は禁忌とする風潮が強かったようですが。今では貴族諸侯であらせられる子爵閣下の御令息でもあるアンリ卿が、魔法使いとして魔界から双頭犬を呼び出し支配するのも、嫌悪感を抱かずに行うように時代が変化をしましたね』
帝都魔法学園にて本日受講する講義は全て終わりましたので、私と希望さんと真実さんと恵さんの、同い年の女子学生の四人で、帝都の街路を歩いて移動しながら話しをしています。
『本日の召喚魔法の講義を行われた帝国騎士様が仰られましたように、未だに御自身が御治めになられていられます御領地内にて、召喚魔法の使用を禁じていられます、世の中の変化を受け入れる事が出来ない、時代錯誤な貴族諸侯であらせられる皆様方も、帝国内に一部残されてはいるようですわね。花さん♪』
銀白色の髪の毛と、緑青色の瞳をされているヴェレーナさんが上品に笑われながらも、毒を含んだ内容の言葉を話されますと。
『帝国には自力救済の慣習があるからな、古くさい考え方に固執していれば、領界を接する他の貴族諸侯であらせられる皆様方から、隙有りと見做されて攻め込まれるだけだから。そうした頭が固い連中は、いずれは淘汰されて消え去る過去の遺物に過ぎねぇな』
男爵閣下の御息女であらせられる、令嬢のナディーネさんによる感想に対して、幼馴染みのハンナさんも特に関心が無さそうな表情で同意されまして。
『ナディーネ達の言う通りだよね。あっ、生菓子屋だ♪』
ハンナさんは生まれ育った故国でもある帝国内において、私達天から根元魔法の素質を授かりし女魔法使いが召喚魔法を自由に扱えるかよりも。生菓子屋の方に関心がある、十四歳の女子学生です。
『新商品はあるかな?。もしあったら買っておくから、後で学生寮のナディーネの部屋で一緒にたべよ♪』
満面の笑みを浮かべながら話されたハンナさんに対して、ナディーネさんは藍色の瞳を深い感情を込めながら頷かれますと。
『ああ、楽しみにしているハンナ』




